「途上国の女の子」差別や危険が当然な日常

刷り込まれた男女の役割分担に変革を!

パキスタン北端のギルギット・バルティスタン州(写真:©︎国際NGOプラン・インターナショナル)

しかし、いきなり学校を建てるということもできない。日常的にイスラム教の精神を学びに通う女性用のモスクがありましたので、そこを活用して公教育を一部導入することとしました。「イスラム教がルール・法律である」という地域ですので、そこで統括していらっしゃるイスラム教の宗教指導者に常にそばにいてもらいながら、お伺いを立てながら進めていくという約束で始めました。

文字を学ぶ幼い女の子(写真:©︎国際NGOプラン・インターナショナル)

現地で話されている言葉の読み書き、算数、そして、英語を学びます。女の子たちも学びたいという潜在的な欲求があったのだと思いますが、グイグイ学んでいきました。パキスタンでは毎年、学年が上がる際にテストをして、合格点だったら次の学年にいけるというルールになっています。最初の段階で女の子たちを学年のレベルで分け、それぞれの学年でちゃんとそのテストを受けさせてあげられたそうです。

すると、合格率が70%以上。ほとんどの女の子が、限られた状況の中で、限られた学ぶ時間の中でやってきた。家でも勉強したのでしょうね。それを見て、女の子たちの親も喜んだのでしょうね。活動をやり続けていくと、ターゲットになったイスラム寺院で、女の子の人数がわーっと増えました。今まで行かなかった女の子が行き始めたということに加え、他の寺院に行っていた女の子たちがその寺院に行き始めたのです。女の子たちが自発的に行ったということはありえません。親たちが話を聞き、「うちの娘たちも行かせたい」となったのでしょう。断言はできないけれども、親たちも心の中では、公教育を男の子も含めて子どもたちに学ばせたいのだろうなということも感じました。

寺院で学ぶ女子学生たち(写真:©︎国際NGOプラン・インターナショナル)

また、そこの宗教指導者の動きもすごかった。ほとんどコミュニケーションを取らない行政の人々に直接掛け合って、「続けさせてください」「他の県、他の州でもやりたい」と言ってくれたということを、パキスタン側から聞いて驚きました。

パキスタンで識字を学んだ女の子が、家で行政から来る手紙を読んであげると、親は「助かるな。識字って大事だな」と学ぶ。自分たちの枠からはみ出たことでも、大事なことは取っていきたいということもある。

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