貧困女性が「世帯収入1000万円」を叶えた理由 生活保護費で1円パチンコを打つ日々だった

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生活保護から抜け、現在の世帯収入は1000万円を超えているという吉村有里さん(編集部撮影)
この連載では、女性、特に単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。
今回紹介するのは、「会社の解雇で激安デリヘルへ。生活保護を受けて、ダラダラ過ごして、まずいと思って就職。元々キャリアだけは無駄にあるので、2017年フルタイム復帰」と編集部にメールをくれた42歳の女性だ。彼女はどのようにして貧困から抜け出したのか。

再婚と就業で貧困から抜けた

特急に乗って1時間ほど、都内通勤圏のある地方都市。吉村有里さん(42歳、仮名)は、年齢相応の中年女性だった。第一印象からエネルギッシュな性格は伝わり、すぐに勢いよくしゃべりだした。

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「末っ子をどうしても地元では有名な私立一貫校に行かせたいの。だから、今は塾が大変。狙っている学校の進学実績は早慶上智50人、GMARCHは120人くらい。この前、1年分の模試をもらってきて、今、私が時間見つけて解いている。彼ができないところを、私が教えているんですよ」

息子が通うのは、費用が高いことで有名な中学受験塾だった。

吉村さんは1年半前まで生活保護を受給する貧困女性だった。連れ子のいる10歳年上の男性と再婚し、自身も中小企業に再就職している。そして、生活保護から抜けた。現在、世帯収入は1000万円を超えている。死別した実の母親の影響の少ない小学校5年生の末っ子を溺愛しているようで、再来年の中学受験に前のめりになっていた。

「早慶上智、最低でもGMARCHに行けって言っています。そうじゃないと、これからの格差社会は生きていけないでしょう。私のように福祉にお世話になるみたいな人間になってほしくないから」

夫、2人の連れ子と、駅から徒歩圏の分譲マンションで暮らしている。自宅は夫が所有、再婚して一人暮らしだった吉村さんが引っ越している。再婚の直前まで生活保護を受給しながら、たまに性風俗店で働いていたという。彼女はGMARCHの大学卒で、転職しやすいキャリアがあった。現在の給与は32万円。再婚と就業で貧困から抜けた、という話のようだ。

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