貧困女性が「世帯収入1000万円」を叶えた理由 生活保護費で1円パチンコを打つ日々だった

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生活保護費は月8万円、住宅扶助5万4000円が毎月現金で支給された。食費と光熱費で4万円、残った4万円をお小遣いにした。ホストに通うようになって、さすがにそれだけでは足りなくなった。スマホで高額バイトを検索して、熟女風俗店に応募した。

「遊ぶ金欲しさだよね。でも、この容姿と年齢なので稼げない。情けないほど稼げない。最初はなにも知らないから高級店とかソープとか応募して、何軒も門前払いになって結局格安デリヘルでした。今より15キロ太っていたから、デブ、年増で本当に稼げない風俗嬢の典型パターンだった」

税金で生活する生活保護者や貧困女性に潔癖を求めるのは、都合がいいし、無理がある。時間が余る中で目の前に楽しい遊びがあるから遊んで、お金が足りなくなったからカラダを売る、それだけのことだ。40歳が近かった吉村さんが採用されたのは、60分1万円の格安店だった。バックされるのは1人4000~5000円で、1日待機してもお客は1~2人しかつかない。

「週2日くらいやって、稼げるのは月2万~3万円。生活保護費だけでも生活できるけど、たまには少しいい物を食べたいし、ホストの初回にももっと行きたい。生きることはできるけど、それ以上でもそれ以下でもないよね。風俗に手を出したのは、それだけの理由。知らない男に性的サービスするのはすごく嫌だった。けど、1日で慣れた。ただあまりにも稼げないから、半年くらいやって目が覚めたかな。勤めていた店は私だけじゃなくて、生活保護の女性ばかりだったよ」

勤めていた店は、生活保護の女性が多かったという(編集部撮影)

熟女系の格安風俗店には、生活保護を受給する女性は本当に多い。当然、役所には黙って働いている。デリヘルはグレー産業の業務委託、現金払いなので、女性たちはわざわざ収入を申告しない。当然、無収入として生活保護受給も続ける。離婚、退職、健康状態の悪化の3つが重なって生活保護受給者になった吉村さんは、1年間は生活保護を受けながらパチンコとホスト三昧、熟女風俗嬢になった。離婚や健康の悪化など、不運だけでなく、欲望に邁進した自己責任も重なって、誰にも認められようのない最悪な状況まで転落してしまったといえる。

20歳年上の上司と結婚したが…

そもそも人生が荒れるようになったのは、最初の結婚の失敗からだった。大学卒業後、外資系の会社に新卒入社して短い期間で転職を繰り返した。年収400万~450万円はあって生活には困ることはなかった。結婚は考えていなかったが、32歳のときに20歳年上の上司と結婚した。

「ちょうど友達の結婚ラッシュが続いていて、自分も結婚しなきゃみたいなことを思っちゃった。その頃付き合っていたのが会社の上司で、人当たりもよくて面白い、収入も普通にあった。まあ、いいかと思っちゃった。ギャンブルやっていることは知っていたけど、それがひどかった。結婚してから気づいた。一緒に暮らすまではわからなかった」

次ページ気づいたのは、結婚して1年くらい経ってから…
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