「途上国の女の子」差別や危険が当然な日常 刷り込まれた男女の役割分担に変革を!
日本も支援国の1つ。プラン・インターナショナルは、東京の三軒茶屋にオフィスを構えています。プログラム部部長の馬野裕朗さんは、2012年からプラン・インターナショナルの支援に関わっています。教育開発が専門の馬野さんは、フランス語力を活かして西アフリカのフランス語圏の国々を中心に様々な教育支援に携わってきた経験を持っており、現在はプラン・インターナショナルの活動国51カ国の、プロジェクトの案件形成・運営管理を行っています。「一生をかけて取り組む価値がある」、国際貢献は馬野さんの信念です。
馬野さんに、途上国の女の子を取り巻く環境と、プラン・インターナショナルが実施するプロジェクトについてお話を伺いました。
女性差別を削減していくことが、社会の発展へと繋がる
Q、途上国に暮らす女の子たちは、具体的にどのような状況にあるのでしょうか?
馬野:今の貧困はどこにあるか、背景に何があるか。大きく2つあると考えています。
1つは、紛争も含めた人災と天災。例えば、アフリカで象徴的なのは、紛争が多いこと。紛争さえなければ、ささやかながらも貧しいながらも毎日生活ができている地域がある。でも、そのささやかな生活が、紛争で一気にゼロになって、難民化せざるをえなくなる。内戦というと、規模の大小にかかわらず、隣の人が斧やナタを持って、ずっと一緒に生活してきた人を殺そうとするということです。それで生き延びたとしても、もうショックでそこには住み続けられず、家族と一緒にどこかに行かなければならなくなる。また、地震、洪水などの自然災害によって、今までの生活が一瞬で壊され、何もない状況でその場を去らなければいけなくなる。
もう1つは、差別。障がいや特定の病気などに対する差別。人種差別や宗教差別などの政治的な差別。そうした差別によって、例えば支援がたくさんあったとしても、差別されている人には落ちてこない。地域の中から排除され、社会的、経済的に参加することからも排除されてしまっている。苦しい負のサイクルに陥ってしまっている。