メジャーリーグが日本も中国でも狙う未来図 MLBクリス・パーク副社長「大谷翔平には期待」
――“本物志向”と“刺激的な熱望”、この2つがキーワードということですが、MLBとしては具体的にどんな取り組みを行っていますか?
現在、取り組んでいるキャンペーンが「LET THE KIDS PLAY(子どものように遊んでみよう)」というものです。子どもたちが自然に喜びを感じるように、野球って本当に楽しいということを伝えていきます。特に20代の選手には自分らしくプレーしてほしいと考えています。
MLBの野球文化では、ホームラン後にバットを投げない、ホームランを打った後に強いアピールをしない、ユニフォームをきっちり着る……などという形で日本の野球文化に近い認識がありました。
MLBとしては「LET THE KIDS PLAY」ということで、若い選手には子どものように自分らしいプレーをしてほしい。“本物”とは、各選手がプレーで自分らしさを出していこうというメッセージでもあります。
日本人選手の活躍がメジャーに与えたモノ
――今年はロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が活躍し、“翔タイム”は日米で大きな話題を呼びました。「大谷効果」についてはどう感じていますか?
大谷翔平はMLBに非常に大きな影響を与えたルーキーイヤーでした。スプリングトレーニングの初日からいちばん高い人気のある選手の1人だったと思います。
もちろんアメリカの野球ファンも二刀流の選手として知ってはいましたが、実際のプレーをはじめて見せてもらえました。彼の成功がチームや他の若い選手たちに良い影響を与えたことはいうまでもありません。これからは打者としても投手としても、いろいろなことができる選手を模索していかなければいけないという意味で考えさせられました。
今年はケガがあったので彼の魅力の一部分しか見られませんでしたが、本当に能力の高い若い世代の選手なので、これから先も、我々を10年以上楽しませてくれる存在として期待しています。
――野茂英雄氏が投手として海を渡って20年以上、イチロー選手が打者としてメジャーでも大きな功績を挙げたときから15年以上が経ちました。この間で、日本人選手の活躍がメジャーにどのような影響を与えているのか教えてください。
野茂英雄、イチロー、松井秀喜、田中将大、大谷翔平……彼らだけでなく日本からやってきた選手たちが偉大であることはもちろんです。
本当に優れた野球の能力を持っている選手がMLBという本当に高いレベルで実力を発揮してくれたことに敬意を示したいし、まったく違う野球のスタイルをMLBの世界に持ち込んでくれました。
MLBが国際化の重要性を説いているのは多くのファンを獲得するためだけではなくて、まったく違ったコミュニティを受け入れ、適合し発展していく国際的なスポーツとしての発展のほうが重要だからです。そういう意味でも、日本の選手がアメリカにやってきてくれて、私たちの経験値の幅を広げてくれました。
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