メジャーリーグが日本も中国でも狙う未来図 MLBクリス・パーク副社長「大谷翔平には期待」

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――MLBの売り上げには、観客の来場によるチケット収入以外にも放映権収入も欠かせません。放映権ビジネスを考えたとき、今後の展望はどうですか?

まずはメディアとの協力関係の強化です。試合の中継やハイライトだけでなくさまざまなコンテンツを対象にメディア側も投資をしてくれています。

もちろんMLBだけでなく他のメジャースポーツリーグでもメディアをどう活用するかは重要性ですし、ファンとのつながりをさらに強めることが欠かせません。

近年のテクノロジーの発達は目を見張るものがあるので、これまで通りのテレビ中継だけではなく、さらにストリーミング(ネット配信)を拡大させることが必須だと考えています。

MLBのビジネス戦略について語るパーク氏。インターネットの有料ストリーミング動画配信サービスを用いてMLBは若年層の積極開拓を進めている(編集部撮影)

これにより、ローカルな市場だけでなく、グローバルに展開することもできます。

そして、ファンに向けたコンテンツの作り方、届け方を変えていく必要もあります。

従来の野球ファンであれば中継映像をテレビで観たり、後からハイライト映像を見たり、記事を通じて文字を読んだりして満足していました。

現代の野球ファンには選手に関する話題をSNSを通じて発信したり、選手やコーチの動向を細かくライブ感覚で発信したりするなど、今までと違った記事を提供することが重要です。

マーケティングするうえでの2つのキーワード

――積極的に新施策を展開しているのですね。近い将来、たとえば2019年以降にどんな言葉がMLBだけでなくスポーツマーケティング全体におけるキーワードになりそうですか?

1つは、authenticity(オーセンティシティ)=本物です。

今の若年層はどの世代よりもモノがあふれた中で育ち、接してきたことでセンスが磨かれています。今まで通りに、これがいいんでしょと押しつけられるものをまったく受けつけません。ブランドであっても、アスリートであっても、リーグであっても“真の本物”を求めるようになっています。

オーセンティシティは非常に強いモチベーションを生む概念といえます。

ファンの求めるものを提供し、いかに満足度を高めるかという追求はエンターテインメントビジネスでは必須となる(編集部撮影)

もう1つのキーワードがaspirational(アスピレーショナル)です。

“気持ちを高める刺激的な熱望”といえます。子どもたちは憧れる対象を強く求めています。いかに影響力の大きいものを伝えられるか、いかに多くのファンの心をつかめるか……。

コミッショナーのマンフレッドは、MLBを国際的に展開するためにこの2つの言葉が重要だと考えています。もちろん、2019年シーズンには海外でのMLB公式戦をこれまで以上に開催し、投資をしていく予定です。日本での開幕戦だけでなく、メキシコ、そして初のロンドン開催も予定しています。

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