「ピンは立てたまま打っていい」という新ルールは、ゴルフ場によっては困惑している。日本は山岳コースの多く、高低差があって曲がっているホールも多い。
9月末に開かれた、筆者も所属する日本ゴルフジャーナリスト協会(JGJA)主催のタウンミーティングで新ルール問題を題材にしたが、ゴルフ場関係者から「グリーンが見えない(ブラインド)ホールではピンが立っていればグリーンが空いているから打っていいという判断基準になっている。
立てたままだと、打ち込みや打球事故につながる可能性がある」という声が出た。確かに、打ち上げのホールなどでグリーン面やグリーンにいる人が見えないときは、ピンが立ってから打つのが通例。見やすいようにピンを長くしているコースもある。
ホールアウトしたらスイッチを押して、後ろの組に信号で伝えるなど、ゴルフ場はそうした対策のための設備投資も必要になる。打球事故をなくすアイデア、簡易な機器など需要があるかもしれない。ゴルフ場の特別ルールで「グリーンに上がったらピンは抜くこと」と規定するのは簡単だが、新ルールの「よさ」が味わえないことにもなる。
今回紹介したのは改正のほんの一部で、ゴルフに行ったときに遭遇しやすいことを挙げた。改正の大きな目的は、先述したようにルールをわかりやすく簡素化し、プレーのスピードアップを図ること。ただ、従来の文言に慣れた筆者にとっては、文言改正はちょっと難儀だった。初めて読む人にはいいかもしれない。
スコアを良くするかもしれない改正もある
スピードアップについては、日本のゴルフ場事情からいうと、プレー時間が10分、20分縮まったとしても、行き帰りを含めた時間はそう変わらず「一日仕事」は解消されないだろう。
ルール改正がゴルフ人口減少の歯止めになるかはわからない。ただ、今回のルール改正で黙っていてもスコアアップするかもしれない改正がある。これまで白杭でOBだった場所の中で、コースの外周ではなくコース内にあったOB区域を赤杭にして「レッドペナルティーゾーン」とすれば、従来のラテラルウォーターハザードと同じく、前方に行って打てることも可能にしている。元の場所に戻らなくていいので、少し距離を稼げれば、スコアもよくなりそうだ。
タウンミーティングでは「ゴルフが少しでも簡単になってスコアが上がれば、楽しくなる」という声もあがった。
効果が表れるのを期待したいが、まだまだ先になりそうだ。
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