サプリ、トクホの嘘と本当 爆発する1兆7000億円市場に死角はないのか

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医薬品と食品に区分 実態と乖離するサプリ

実は、日本の法律では口に入るもので「医薬品」でないものが「食品」だ。健康食品はあくまでも食品に含まれ、その中にサプリも入る。だが、医薬品に近い形状のサプリを単なる食品と思っている人は少ない。

サプリは薬ではないため、「~に効く」などの効果・効能をうたえば、薬事法違反になる。だが、売る側としては何としても効果・効能を消費者に訴えたい。一方、消費者が望んでいるのも、このサプリがどういう場合に効くのかという十分な商品情報だ。

法制度と実態に大きなギャップがある中、市場が2兆円近くまで拡大したのは、テレビ番組や著名人を使った広告宣伝などのイメージ効果が大きい。消費者にも何となく効きそうだというイメージが刷り込まれている。だが、それが正しい情報かどうかは別問題だ。

ただし、健康食品の中でも「脂肪の吸収を抑えます」など、国が一定の範囲内で効果・効能に“お墨付き”を与えているものがある。それが特定保健用食品いわゆるトクホだ。

トクホ制度は91年にスタート。当時の日本の研究によって、食品には栄養補給(1次機能)とおいしさ(2次機能)のほかに、生体調整機能(3次機能)があることがわかり、これについて「機能性食品」と位置づけた世界初の制度だ。

だが、機能性表示ができる機能が整腸作用やコレステロール、中性脂肪など9分類から広がらず、メーカーの開発意欲は低下。07年をピークにトクホは縮小傾向にある。

トクホと同じく一定の効果をうたえる栄養機能食品についても、ビタミンとミネラル以外に対象成分が広がらず、市場は停滞ぎみだ。

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