アメリカ経済が急失速するリスクは小さい 悲観的過ぎた株式市場と冷静な債券市場

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株価の乱高下はアメリカが景気後退に向かっている証拠なのだろうか。筆者は明確に否定する(写真:AP/アフロ)

アメリカ株市場は10月10、11日の両日の大幅下落に続き、24日以降も再び大きく下落した。その後は反発しているものの、一時S&P500などの主要株価指数については、年初来でマイナス水準まで下げた。2018年2月に続き、アメリカ株は高値から10%前後の下落が2回起きたことになる。

2018年の企業業績が約20%の増益となる中で、年初からの株価が上昇していないことは、2019年にかけて企業業績が減益に転化するシナリオに対する、株式市場の疑念がかなり強まったとことを意味する。

現在は2015年から2016年に似ている?

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2017年にアメリカ株市場では目立った下落がなかったこともあり、株式市場はやや混乱している。ただ、アメリカ株の10%程度の下落は、2015年夏場から2016年初にかけて2回みられた。2018年に起きている調整も、当時の株価下落と似ている部分がある。

実際、2016年初にアメリカ株が2回目の大幅下落を記録した時も、金融市場では経済失速・景気後退懸念が高まった。この時のアメリカ株は「戻り高値」から約13%下落した。翻って、2018年10月は2016年と同様にマーケットではアメリカの景気後退リスクが意識されており、当時と現在で同様の調整が起こるとすれば、アメリカ株は短期的にはもう少し下げる余地がある。

2015~16年当時は、人民元切り下げを行った中国経済への懸念が高まり、それが引き起こした原油価格の下落に歯止めがかからないことなどが、アメリカの成長産業の一つであったエネルギーセクターにダメージを及ぼした。これが、短期的にアメリカ経済全体にブレーキをかけたが、アメリカ経済全体にとって減速は短期的・局所的だったので、アメリカ株の下落局面は長期化しなかった。

次ページ2019年にかけての「アメリカ経済減速論」は正しい?
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