なぜ平壌で買える?「ポッカ」の不都合な真実 海外子会社が販売ルートを開拓していた
日本政府は長年にわたって北朝鮮に全面禁輸を科しているが、北朝鮮国内では多くの日本ブランド商品が流通している。その実態は2017年7月にも「驚愕実態!対北朝鮮制裁は『ザル状態』だった」で報じたが、1年以上経過した今でも実態は変わっていない。
今回、取り上げるのは「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」の缶飲料だ。「Pokka」の飲料は、今も、平壌で幅広く売られているのだ。子会社や販売ルートの管理を含め、グローバル企業として同社のガバナンスに課題があることが浮き彫りになった。
この問題は、筆者が取材協力している北朝鮮関連ニュースの専門サイト「NK News(北朝鮮ニュース)」による調査報道で明らかになった。
平壌のホテルやバーで売られていた
北朝鮮による核実験を受け、日本は2009年6月から北朝鮮への輸出を全面禁止している。しかし、NK Newsの記者が2018年9月に訪朝したところ、ポッカの缶コーヒーやフルーツドリンク、フレーバーミルクなどが平壌のホテルやバー、市場をはじめ、各所で幅広く売られていたという。
NK Newsでは、平壌で売られているポッカの缶飲料を写真に収めたほか、実際にそのいくつかを購入した。写真に写る青色のマンゴージュースと、オレンジ色のニンジンジュースの缶飲料も平壌で購入したものだ。製造元としては「Product of Singapore」と記されている。つまり、ポッカのシンガポール子会社「Pokka Corporation Singapore(以下、ポッカシンガポール)」が製造したものが北朝鮮で売られていた。
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