なぜ平壌で買える?「ポッカ」の不都合な真実 海外子会社が販売ルートを開拓していた

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とはいえ、国連の制裁をかいくぐり、本来なら禁止されているシンガポール製品を北朝鮮に流すようなUAEのディストリビューターと取引をし、さらには北朝鮮との違法ビジネスを開拓しようとする社員を抱えていたポッカのシンガポール子会社の実態は看過できるものではないだろう。

ポッカサッポロフード&ビバレッジの親会社は、東証一部上場のサッポロホールディングスである。新たな事実が次々と出てくるなか、東証一部上場企業のガバナンス再構築が求められているのではないだろうか。

ほかにも多くの日本ブランドが売られている

なお、言うまでもないことだが、これはサッポロホールディングスだけの問題ではない。平壌市内ではほかにも多くの日本ブランド商品が売られている。各社とも今一度、輸出ルートの点検をする必要があるだろう。

9月18日に平壌で撮影。サッポロやアサヒのビールが売られている(写真:北朝鮮ニュース)
平壌市内で売られているパナソニック製の洗濯機(写真:北朝鮮ニュース)
高橋 浩祐 米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

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たかはし こうすけ / Kosuke Takahashi

米外交・安全保障専門オンライン誌『ディプロマット』東京特派員。英国の軍事専門誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』前特派員。1993年3月慶応義塾大学経済学部卒、2003年12月米国コロンビア大学大学院でジャーナリズム、国際関係公共政策の修士号取得。ハフィントンポスト日本版編集長や日経CNBCコメンテーターなどを歴任。朝日新聞社、ブルームバーグ・ニューズ、 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、ロイター通信で記者や編集者を務めた経験を持つ。

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