「VRアミューズメント」が次々登場する舞台裏 渋谷に2施設オープン、VR映画も登場

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VRお化け屋敷「コリドール」(写真:東急レクリエーション)

ティフォニウムでは体験者がVR機器を装着し体験ブースの中を実際に歩いたりしながら、VRゴーグルに映し出される映像の世界に入り込んでいく。お台場のティフォニウムの人気コンテンツであるVRお化け屋敷「コリドール」と、幻想の海を航海するファンタジー系の「フラクタス」の2つのアトラクションが、バージョンアップして登場。開業後には新アトラクションも導入する予定だという。

デベロッパーが”欲しい”テナント

なぜ都心部でVRアミューズメント施設のオープンが相次いでいるのか。CAセガジョイポリスの速水和彦・施設事業推進部長は、背景の1つとして、「Eコマース化の流れなどを受け、出店候補地となる商業施設が従来のテナント構成を見直す動きが進んでいる」と語る。

VRアミューズメント施設は話題性があり、デベロッパー側からも施設の集客拡大につながるとの期待がある。さらに限られたスペースで出店できることも強みだ。たとえば、JOYPOLIS VRの「ターミネーター」の体験ブースは4メートル×5.5メートル、ティフォニウムの「コリドール」は、4.5メートル×8.5メートル程度。狭いスペースでも広大な世界観を再現できるVRアミューズメント施設は、都心部の商業施設やビルへの出店に適している。

従来のアミューズメント施設に比べ、設備投資が抑制できることも運営側にとってのメリットとなる。「コースターなどのアトラクション設備を導入する場合に比べ、初期投資は圧倒的に少ない」(速水部長)。

IT専門の調査会社IDCJapanの菅原啓シニアマーケットアナリストは、「VRには話題性があり、利用者が高齢化している従来のアミューズメント施設より若年層を取り込むことができる。通常のゲームは3分100円~150円が標準的だが、VRゲームはワンプレー1000円~1500円で単価上昇も狙える」と分析する。

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