「VRアミューズメント」が次々登場する舞台裏 渋谷に2施設オープン、VR映画も登場
バンダイナムコアミューズメントが新宿・歌舞伎町に2017年7月にオープンした「VR ZONE SHINJUKU」では、「マリオカート アーケードグランプリVR」や「ドラゴンボールVR」、「ドラゴンクエストVR」など、人気IP(知的財産権)を活用したVRアトラクションが人気だ。
「リア充」層を取り込み
同社のVRプロジェクトの小山順一朗所長は、「ショッピングセンター内ゲームセンターはクレーンゲーム、メダルゲーム、プリクラなど均一化している。一方で街のゲームセンターは特定ゲームにはまるマニア向けが増え、若者グループやカップルが離れ市場が縮小傾向にあった。VR ZONEでは、『リア充』層の取り込みが上手くいっている」と語る。
ただ、VR施設の運営にはオペレーション面での課題もある。機器の操作に慣れていない利用者が多いため、あるVR施設では装着の補助や利用説明、安全対策などで「アトラクションの同時体験人数と同人数のスタッフが必要」(運営会社の関係者)。初期投資が抑制できたとしても、人件費を中心に運営コストがかさんでしまうのが現状だ。
こうした課題に対し、各運営会社は少人数でアトラクションを稼働させるオペレーションの工夫をしている。ティフォニウムシブヤでは、東急レクリエーションの映画館興行でのノウハウを活用し、一定時間でより多い人数が体験できるようにアトラクションまでの導線を工夫したり、スタッフの指導に力を入れているという。
アミューズメント施設だけでなく、映画館でVR技術を取り込む動きもある。7月には映画会社の東映、博報堂グループの映像コンサルティング会社クラフター、ソニーからPC事業を継承したVAIOの3社による共同事業VRCCが、新宿の映画館で「VR映画」の体験上映を実施した。
7月に上映したのは、「おそ松さんVR」、「evangelion:Another Impact(VR)」、「夏をやり直す」の三本立て。観客は映画館のシートに座り、VRゴーグルを装着してVR映画を視聴する。クラフターの古田彰一社長は、「映画館ではヘッドフォンで耳をふさぐことなく最高の音響でVRを楽しむことができる。また、大人数で同時鑑賞することで、ホラー映画の悲鳴や、コンサート映像での歓声など、ほかの観客の反応で臨場感が高まる」と語る。
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