メルカリは上場してからどう変わったのか

小泉文明社長ロングインタビュー

小林:グループのそういった会議とは別に、メルペイはメルペイとしての経営会議も開いているわけですよね? 

小泉文明(こいずみ ふみあき)/1980年生まれ、山梨県出身。早稲田大学商学部を卒業して大和証券SMBC(現・大和証券)に入社し、ミクシィやDeNAなどのIPO(新規株式公開)を担当。 2006年にミクシィに移籍し、社長室長や経営管理本部長を経て2008年に取締役執行役員CFOに就任。2012年に同社を退社し、スタートアップ支援を経て、13年12月にメルカリに入社。14年3月に取締役に就任し、17年4月に創業者の山田進太郎氏から社長を引き継いで現職に就く(写真:Signifiant Style)

小泉:メルペイ内では青柳さんを中心にディスカッションを行って自分たちの方針を打ち出し、彼がグループの会議の場で国内経営陣やグローバル経営陣に対し、「こんなアイディアが出ているんですけど、いいと思いませんか?」といった提案が行われるわけです。そして、その場において議論されて進んでいく流れですね。経営経験者が多いので、それぞれに話を投げてみるとけっこう面白い答えが返ってきますよ。

小林:あらかじめアジェンダを決めて、ディスカッションをやっているのですか? それとも、いろいろな話がワーッと錯綜しているとか?

小泉:たいていはワーッとなっちゃいますけど、オフサイトではちゃんとアジェンダを決めていますよ。

小林:3カ月で1~2回というのは、かなり頻繁なペースですね。

小泉:都内のホテルにおいて朝の9時から夜の8時頃まで、事業のことから組織のことまでアジェンダに沿って話し合っています。日帰りもあれば泊まりもあります。ちなみに、7月、8月はそれが毎月1本ずつありました。月の中盤に国内経営陣が1泊2日の長めのオフサイトをやって、その翌週にグローバル経営陣によるものが1日。だから、経営陣のコミュニケーションはメチャクチャ多いと思いますよ。

小林:逆に言えば、それだけ頻繁に話し合っていると、1対1の話を意識しなくても、その会で自然と意見がすり寄っていくわけですね。

小泉:僕と進太郎さんとの場合、頻繁には顔を会わせていませんが、毎週の1on1では1時間程度はみっちりと話しますね。自分のフィールドではないけれど、ちょっと進太郎さんに伝えておきたいことを僕が発信する一方、進太郎さんからは僕のフィールドに関することでちょっと伝えておきたいことが返ってきます。比較的いろいろなネタで意見交換しています。そして、「今日は特にネタがないよね」とか言いながら始めても、終わってみれば1時間近く話し込んでいたりするわけです。

Slackを通じてほとんどの情報を社内でオープンに

小林:そういった体制は、かなり初期の段階から整っていたのですか? 何かキッカケのようなものもあったのでしょうか?

小泉:初期の段階からありましたね。僕がけっこう合宿好きなもので(笑)。ミクシィに在籍していた頃も、僕を含めた3人の経営陣が週3回も定例ミーティングをやっていましたよ。トップダウンで決めたうえで、それをみんなに知らせてその先は現場に任せるという流れの中では、上の考えを1つにするということが大事ですから。

小林:箸の上げ下げに至るまで細かく決められると、下で働いている人たちは気持ちが萎えるのではないかと思うのですが、何は上が判断して、どこから先は下に任せてしまうというイメージなのでしょうか?

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