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川上量生「ビジネスはネトゲよりも簡単だ」 よくできたゲームのほうがずっと難しい

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吉田:だから子どもはアニメが好きなんですね。

川上:特に小さい子どもほど処理できる情報量が少ないから、アニメのほうが理解しやすいわけですよ。現実から情報を抽出するよりも、アニメから抽出したほうが受け取る情報量が多くなるのが子どもなんです。

だから今のVRは現実空間をアニメ化したくらいの情報量なんだけれど、これくらいで十分。もう進化する必要はない。むしろ客観的情報量から抽出できる主観的情報量の「量」のほうが重要なんですよ。どれだけ多くの情報を人間が引き出せるか。

だとすると、最初から単純にしているVR世界のほうが、人間にとってはより豊かな世界に見えるんです。宮崎アニメがそうであるように。実写のビデオよりも宮崎アニメのほうが情報量が多く見えるというのは、そこから引き出せる主観的情報量が多いからなんですね。

物事を合理的に考えるのは「くせ」

吉田:ちなみにお子さんは今、おいくつですか?

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川上:4歳です。子どもがいると、人間がAIにいかに近いかとか、そっちのほうに頭がいって面白い。エンターテインメントですね。

吉田:確かにエンターテインメントですよね。僕も娘を「本当に学校に行かないとかって言い出すんだ~」とか、中1でものすごくファンタジーな絵なんかを描き始めたので「本当に中2病ってあるんだ~」なんて思いながら見てますけどもね。

川上:うちの子は今、物語を作り始めています。それが結構、壮大な物語を作るんですよね。まあ、子どもが作る物語なんですけど。何でこんなお話を作ったんだろう、というのを推測するのも面白い。

吉田:やっぱり「何で」って思いますよね。子どもは何でこんなことを考えたんだろうって。

川上:考えますよね。僕はこれまで自分が物事を合理的に考えるのって成長の過程で獲得した能力だと思っていたんですが、4歳の娘を見ていると、ああ、これは単に性格なんだなってわかってきました(笑)。当然ではなく、単なる自分のくせだったんだな、と。

(左)吉田 尚記(よしだ ひさのり)/1975年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。マンガ、アニメ、アイドル、落語、デジタルガジェットなど、多彩なジャンルに精通しており、年間100本におよぶアニメやアイドル、ゲームなどのイベントの司会を務めている。
(右)川上 量生(かわかみ のぶお)/1968年愛媛県生まれ。株式会社ドワンゴ取締役CTO、学校法人角川ドワンゴ学園理事。2006年よりウェブサービス「niconico」運営に携わるほか、現在は人工知能、教育事業などのIT先端技術関連の新規事業開発にも注力している。
(撮影:尾形文繁)

(構成:岩根彰子)

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