川上量生「ビジネスはネトゲよりも簡単だ」 よくできたゲームのほうがずっと難しい
エゴサーチより数学ボットに没頭する
吉田:実は僕、少し前に『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』という本を出したんですが、そこでは何かに「没頭」することが、生きづらさを楽にする秘訣なんじゃないかということを書いたんです。川上さんは普段、何か没頭することってありますか?
川上:僕は今、数学がすごく好きで、数学にまつわる本をいろいろ読んでいるんです。ただ、暇なときにその本を読むか、エゴサーチするかという選択があった場合、どうしてもエゴサーチを選んでしまっていたんですよね。もちろんエゴサーチが本当に好きかと言われたら、別に好きじゃないんですよ(笑)。
吉田:するんですね、エゴサーチ。
川上:好きじゃないし、楽しくもないし、情報として有意義なものがあるわけでもない。時間の使い方として最低だと思うんですが、何かのゾーンにはまってしまうというのか、やめられないんですよね。
そこで発見したライフハックがあるんですが、僕、ツイッターで5つくらい数学ボットをフォローしているので、ツイッターを開いたときに最初に目に入るのが、何らかの数学の定義なんですよ。そうするとそれについて考え始めて、エゴサーチしようという気分はどこかへ行ってしまう。
吉田:わかる。すごくわかります! 没頭する環境作りですね。
川上:これって超重要だなと思うんです。人間ってどうしても易きに流れるというか、たとえ本当にやりたいことでも目的を持って何かに没頭するのって根本的に難しい。だからこそ、生理的にその方向へ持って行くことが重要なんだなと。