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もう1つのベースボールオペレーション部門は、監督、コーチ、トレーナー、スコアラー、スカウト、編成担当、育成担当、選手の食事や移動の管理をする運営担当などが所属、広報を分けている球団だと、ここにチーム広報を入れている場合がある。

近年はベースボールオペレーション部門にデータ解析を担当するアナリストを抱える球団が増えてきている。というのも、球速や打球の角度、回転数などの測定ができるトラックマンの導入球団が広島東洋カープを除く11球団に達し、球団で取得できるデータ量が飛躍的に増え、取ったデータを解析できるデータサイエンティストの需要が出てきたからだ。

ZOZOマリンスタジアムに設置されたトラックマン、写真中央(筆者撮影)

トラックマンは、デンマークのトラックマン社が、軍事用のレーダー式弾道追尾システムの技術を転用して2003年に開発、レーダーを放ってボールを追尾することでデータを取得する機器だ。

日本では2014年シーズンに楽天が導入、以降、2015年シーズンにオリックスと横浜、2016年シーズンにソフトバンク、日本ハム、西武、2017年シーズンに巨人、2018年シーズンにロッテ、阪神、中日、ヤクルトが導入している。

要求されるスペックは高水準

特にベースボールオペレーション部門に関しては、データ解析を戦力アップに活用してきた球団と、そうではない球団とに2極化しているのが現状だ。

元プロ野球選手のスタッフが大半を占める、ベースボールオペレーション部門においては、経験に基づく指導が優先されやすい。プロ野球選手としての経験がないデータサイエンティストのアドバイスを受け入れる土壌ができるまでには、一定のプロセスが必要になる。

トラックマンを導入してはみたものの、データサイエンティストを受け入れる土壌が形成されていない球団は、必要性を認識しながらも採用に二の足を踏んでいる状態だ。

一方、データ活用が当たり前になった球団では、現有勢力のレベルも、選手や監督、コーチ、トレーナーがデータサイエンティストに求める水準も相当に高い。

最新の情報をアップデートしていくことも必須になるが、少なくとも数歩先を行くメジャーの情報収集は欠かせず、そのためには語学力も必要になる。

従って、求人票を出しているのはすでにデータを活用してきた球団が中心であり、その要求水準は相当に高い。

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