「営業主体」のIT企業が潰されかねない理由

ユーザー完結型企業の圧倒的強みとは

営業主体のIT企業の思わぬ弱点とは?(写真:よっし/PIXTA)
アメリカでは企業の経営者や経営陣が、ブログなどを通じてビジネスや経営哲学などについて語ることは多く、日本のビジネスパーソンにとって役立つ情報がたくさんあります。今回は、アメリカの決済サービス大手、スクエアの経営陣のブログから、真に優れたハイテク企業は、セルフサービス型であるという記事を要約して翻訳し、紹介します。

 

「一番の後悔は、最初の顧客が年間発注額100万ドルの大企業だったことだよ。できることなら、なかったことにしたい」ある日、友人がコーヒー片手に嘆きました。

真に優れたテックサービスはユーザー完結型

「え?どういう意味?」私は戸惑いながらたずねました。友人はある企業のCEOです。その企業は、最近シリーズC投資ラウンドで資金調達を実施したばかりで、成長スピードが早く、多くの顧客を抱え、有能な経営陣もそろっています。だから、私は控えめにいっても、面食らったのです。

友人いわく、「その顧客以来、製品にしろ、市場進出戦略にしろ、サポートモデルにしろ、全部同じところを目指すようになったんだ。大企業だよ。初めての契約が年間発注額100万ドルの大企業だったおかげで、うちは大物を狙い続けるしかなくなったんだ。もうそのレールからは降りられない。役員も従業員も全員、最初の顧客と同じくらい、もしくはもっと大きな契約を取るものだと思ってる」

「それで?」私は続きを促しました。

「同じ分野で、低価格市場向けの製品を出しているライバル企業が出てきて、動向を探っているんだ。その企業は小さいけど急激に成長している。そこと戦うには、うちは人材も、技術もサポートモデルも足りない。正直に言えば、心構えが違うんだ」

私は長年ある仮説を立てていましたが、友人の話でより確信が強まりました。

「真に優れたハイテク企業は、(ユーザー完結型の)セルフサービスファーストである」

もう少し掘り下げて、この仮説とその根拠を説明しましょう。

まずは、「セルフサービスファースト」の定義からです。

セルフサービスの製品とは、アカウントの新規作成や新機能の有効化、アカウントの管理やソフトウェアの更新、キャンセルに至るまで、第三者を介さずに、一連の操作を利用者自身が行えるものを指しています(もちろんスラックのような第三者とのやり取りのために作られた製品は別として)。

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