「営業主体」のIT企業が潰されかねない理由 ユーザー完結型企業の圧倒的強みとは

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留意すべきは、ここでいうセルフサービスには(顧客がある接点を経て商品やサービスを購入するまでの)「カスタマージャーニー」の全過程が含まれている点です。素晴らしいセルフサービス製品では、利用者との接点を丁寧に洗い出しています。そして、必要な操作が手早く・効率的に行われるように、利用者の動線をいかにシンプルで無駄のないものにできるか、を考え抜いています。

「セルフサービスファースト」とは、「セルフサービス」の実現を最も大切に考えており、それが企業の基礎になっていることを意味します。

利用者のニーズに基づいてデザインされている

製品開発でいえば、個人事業主や小規模事業者のような自力での問題解決を望む利用者のニーズに基づいてデザインされたものがセルフサービスファーストにあたります。この場合、中小企業や大企業向けの機能は、エクステンションもしくはAPIという形になります。

フェイスブック広告、グーグルアドワーズ、グーグルアドセンスなどのオンライン広告はすべてセルフサービスを第一優先に作られ、何年も運用されたのち、大口顧客向けの機能を付け加えています。

また、製品開発だけではありません。時には大口顧客を逃したとしても、カスタマーサポートや顧客獲得、ブランディング、コミュニケーションなど、すべての企業活動においてセルフサービス利用者が優先され、そのニーズに応え、関係を強化することに力が注がれます。

グーグルやフェイスブックが、業績報告や外部向け資料で小規模な事業者や広告主の存在を強調する理由がここにあります。大口顧客についても言及はしていますが、中心的な存在ではありません。

一般消費者向けに製品を提供している代表的な企業は大抵、セルフサービスファーストです。アップル、グーグル、フェイスブック、ネットフリックス、ツイッター、スナップなど、これらの企業はセルフサービス型の顧客体験がよりスムーズでシームレスなものになるよう、莫大なエネルギーや時間、リソースを費やしています。

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