──インターネットが日本企業のピンチをチャンスにする?
IoTのもたらす力を活用するのだ。何しろインターネットの接続数は今や指数関数的に伸び始めた。対象が人間だけでなくなったからだ。2020年には人口の7倍に相当する500億の接続がなされるとの観測がある。インターネットの最多ユーザーになったIoTのインパクトは強烈だ。
日本にとってチャンスなのはIoTには言語の障壁がないことだ。インターネットサービスで米国や中国と競争してもなかなか勝てない。言語圏の人口に違いがあるからだ。だが、モノは言葉を話さない。特にIoTはモノづくりに近いところで大いに有効だ。世界とIoTを基盤に十分戦える。
5Gの世界で暮らしはどう変わるか
──情報通信の共通基盤も高度化します。
2020年に本格化する。超高速、大容量の5G(第5世代移動通信システム)への移行だ。1ミリ秒程度の「超低遅延」に加え、1平方キロメートル内で100万台が同時接続できる。それで生活や暮らし向きはどう変わるか。ランダムに挙げれば、スポーツの楽しみ方や救急医療、買い物、防災・減災の仕組み、地方での暮らし、仕事のやり方、さらには車のナビゲーションなどで大きく変わることになる。
──日本の技術が生きる?
一例を挙げると、5Gはスマートフォンよりさらに使用周波数が高く、シリコン素材では追いつかない。化合物半導体の作り方が変わってくる。5Gデバイスはノーベル賞を受賞した青色発光ダイオードの技術が生きる。5Gのデバイス生産を支えることになる。
──企業、生活全般にIoTが浸透するわけですね。
トヨタ、キヤノンを先頭に2020年ごろまでにスマート工場が作られるだろう。中小企業も含めて今直ちにスマート工場化に着手したほうがいい。人手不足でもあり、農業や流通、金融を含め、全産業はスマート化すべきだ。
──グループ企業のインターネット総合研究所をこの8月にイスラエルのテルアビブ証券取引所に上場させました。
世界のイノベーション拠点はシリコンバレー一極集中から3極化しつつある。イスラエルは中国・深圳と並ぶ3極の1つ。資金調達に加え、開発の「アンテナ」にもなる。
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