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日本のGDPは2030年、今の「約2倍」になる カギを握るのは全産業デジタル化

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──今はできていませんね。

日本の機械設計を例にとると、CADツール、シミュレーションツールは、ほとんどが外国製。主要自動車メーカーでもそう。高いおカネをドイツやアメリカの会社に払っている。ソフトウエアに日本製はほとんどない。

サプライチェーン・マネジメントを一気にリードしたのはドイツのSAP。設計ツールはじめ製造業において重要なポジショニングを担っている。日本のIT会社はできていない。ビジネスパーソンの机上のツールはマイクロソフトだったし、スマートフォンはアップルかグーグルのアンドロイド。日本はソフトウエアのプレゼンスをほとんど発揮していない。

ハードを作っている側だからわかることも

──ソフトウエアは弱いまま。

藤原洋(ふじわら ひろし)/1954年生まれ。京都大学理学部卒業。東京大学博士(電子情報工学)。日本アイ・ビー・エムほかでコンピュータネットワークの国際標準化などに従事。1996年にインターネット総合研究所を設立。グループ企業のブロードバンドタワーを上場させた(撮影:田所千代美)

少なくとも「モノづくり日本」を押し出しているならば、モノづくりのソフトウエアツールでプレゼンスを発揮すべきだ。日本の製造業の強さは生産技術にとどまった。ソフトを重視してこそのデジタル化なのだから、日本が強い技術分野で早急に独自に開発・育成を行う必要がある。

──逆にインターネットが根底的な変革を強いているのですね。

IoTを通じてあらゆる分野で自律・分散・協調型が促進される。たとえばテクノロジー。トヨタ自動車がインターネットにつながったコネクティッドカーを世界の主戦場と見ているが、まさに正しい方向といえる。

重工業でいえば、アメリカのGEと日本の会社とではデジタル力が圧倒的に違う。一例を挙げるとジェットエンジン。GEはセンターを作り、世界中のジェットエンジンがどういう状況にあるか、各エアラインに燃費情報を提供し始めている。

飛行機メーカーにエンジンを、電力会社に発電機を納めたら「はいおしまい」ではなく、その先にいるユーザーや消費者はどんな使い方をしたらいいのか情報提供をする。ハードウエアを作っている側だからわかることが豊富にある。

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【ネットが日本企業のピンチをチャンスに】

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