センター試験廃止?大学入試のあるべき姿とは ダメなのは「学力評価方式」ではない

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それぞれの人が自分に合う試験制度を選べるように

大学入試改革について、ボクがもっと主張したいのは、「議論が極端すぎる!」ということです。

先日、報道番組を見ていたら、橋下徹大阪市長が登場していました。市長は大学入試改革に大賛成の立場で、お得意の(?)教育委員会を敵に据えて批判を展開するスタイルで、「成績情報が大半を占めるこんな調査票で子どもの人生が左右されるのはけしからん。人物評価を少なくとも3ページから4ページは導入すべきだ」といったことを主張されていました。

ボクが恐ろしく感じるのは、これによって「学力」主体の入試制度が崩壊してしまうのではないかということです。前述の通り、海外の面接ベースの入試制度も、もとを正せば「学力」を評価することを最重要課題に置いています。

日本のペーパーテストは、それはそれで優秀な学生をこれまでたくさん輩出してきました。全否定する必要はあるのでしょうか? 極端すぎるのではないでしょうか? さまざまな選抜形態を準備して、それぞれの人がおのおのの思想や目標に合った方法を選べばよいのではないでしょうか?

ボクにはどうしても、今の議論の進み方が現場を無視した机上の空論のように思えてなりません。

「ゆとり教育は失敗」のデジャブ

そういえば、似たようなことが最近もありました。「ゆとり教育は失敗した」といってカリキュラムが一気に増強されて、いろいろとフレキシブルじゃなくなってきました。

でも、ちょっと待ってください。じつは、人格形成に大きな影響をおよぼす小学校の時期にゆとり教育を受けた世代は、今は高校生や大学生。まだほとんど社会に出てきてすらいませんよ。

時期尚早ですね。極端ですね。ボクは、こうした判断が良い結果を導くとは、まったく思えないのです。

Tehu 慶応義塾大学1年生・デジタルクリエーター

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てふ / Tehu

1995年、神戸市生まれ。灘中学校、灘高校を経て現在、慶応義塾大学1年生。中学生の時にプログラミングに興味を持ち、2009年にiPhoneアプリ「健康計算機」を公開。ダウンロード数が無料アプリで世界第3位となり、話題となる。以後、「放射能計算機」、劇団ひとり監修の「僕の余生。」などのアプリ制作を続ける。2010年からUstreamで「Tehuのオールナイトニホン」を放送開始。米アップルの新製品記者発表を同時通訳する番組を定期的に放送し、人気を集める。2013年、グーグル日本法人元会長の村上憲郎氏との共著『スーパーIT高校生“Tehu”と考える 創造力のつくり方』(角川書店)を発売。現在、クリエーターとして多くの企業のプロジェクトに参加するほか、講演や雑誌連載など多岐にわたって活動している。中国籍で本名は張 惺(ちょう・さとる)。日本語、英語、中国語を操る。

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