センター試験廃止?大学入試のあるべき姿とは ダメなのは「学力評価方式」ではない

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医学部の偏差値が高い理由って?

こうしてセンター試験のあるべき姿を考えていると、あるポイントが不思議で不思議で仕方なくなります。大学に入るのに必要な「学力」とは結局、何なのか?という疑問です。

日本では、医学部が最も難しく、偏差値が高いことが当たり前のようになっていますが、実際に医学を学ぶのに必要な「学力」が、理学部に比べて高いのでしょうか?

そんなはずはないでしょう。むしろ医学は「学力」との関連が比較的弱いようにも感じます。臨床であれば、患者とのコミュニケーション能力が必要になってくるでしょう。外科であれば、手先の器用さが命です。いくら勉強ができても、awkwardでは手術なんてできっこありません。

今、お偉いさんたちが議論している「人物評価入試」は、「学力」だけでは分けきることができないこうした「矛盾」を吸収するものにすべきだとボクは考えています。

たとえば、ペーパーテストでは20点劣るけど、サイエンスに対するセンスが面接で認められたから合格、といった具合です。

あくまでも面接や内申書で「測る」のは「学力」、そしてそこからはみ出した能力です。生徒会でがんばったから合格とか、ボランティアでがんばったから合格というのは、ボクは賛成できません。

AO入試が一部の優秀な人材を輩出した裏で、多くの「使えない人間」を排出してしまったと批判を受けるのも、ここをうまく評価できなかったからではないでしょうか。

米国と英国の大学を受験した知り合いが言っていた話ですが、英国の名門、オックスフォードやケンブリッジは面接に数日を費やし、その時間のほとんどは、論文を読んでどう思うかを問うなど、「学力」をペーパーテスト以外から評価する作業にあてるそうです。決して、長い時間をとって課外活動の実績を自慢させているわけではないのです。

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