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「羊を数えたら眠れる」という大いなる勘違い ちまたに広がる「睡眠」の間違った俗説5選

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  • 西野 精治 スタンフォード大学医学部精神科教授、睡眠生体リズム研究所(SCNL)所長
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②「22時~2時」のシンデレラタイムに眠る

「夜10時~午前2時の間に眠ると成長ホルモンが盛んに分泌され、肌の新陳代謝が促進されて美肌効果が得られる」

そのためこの時間帯をシンデレラタイムと呼ぶそうですが、欧米ではまったく知られておらず、日本でだけ広まった科学的根拠のない都市伝説です。

「寝始め90分」を深く眠れると成長ホルモンがたくさん出るのですが、いつも決まった時間に眠ればこの「寝始め90分」は深くなります。

つまり、いつもと同じ時間に眠るのであれば、明け方など極端に明るい時間でないかぎり何時に寝てもよく、むしろいつも21時に寝ている人が22時にずらしたところで、それが定着しないかぎり、成長ホルモンの分泌は促されません。

統計的に見れば、この「22時~2時に眠っている人」が多いため、「この時間に眠るといいらしい」と説が広まったのだと思われます。

(画像:『マンガでぐっすり! スタンフォード式 最高の睡眠』より)
③翌朝早いから「早寝」する

睡眠研究者らによる、興味深い「脳と眠気」に関する報告があります。

それは「いつも寝る時刻の直前から2時間前あたりまでが、最も眠りにくい」というもの。毎日午前0時に眠る人は、「22時~0時までの2時間が最も眠りにくい」ということになります。眠気は、通常就寝する時刻に向かって「徐々に増していく」わけではないのです。

「1時間早く眠る」のは睡眠禁止ゾーンへの進入

入眠直前の「脳が眠りを拒む時間帯」は「睡眠禁止ゾーン」と呼ばれています。現段階では「日中長時間覚醒を維持するために、蓄積する睡眠圧に対抗するようなシステムが人体には存在し、それが入眠直前に最高に強くなり、その後急速に弱まって脳が睡眠モードになる」ため、このゾーンが存在しているという説が有力です。

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【眠りの質を確保するべき】

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