「メンツと礼」をタダだと思う人が落ちる地獄 発達障害の僕が発見した「見えない通貨」
課長と係長ならわかりやすいですが、係長が2人いたらどうするべきでしょう。ここを判断するには、おきてを観察するほかにありません。ヒラの担当者にも当然序列はあります。
「俺はその話を聞いてないぞ」と言いながら、エラい人が話に介入してきてシッチャカメッチャカになった経験って、誰もがあるのではないでしょうか。あれは、「俺の面子を潰しやがって」「俺に支払いがなかったぞ」と怒っているのです。
面子を立てるとは、部のおきてに従い「私はあなたに敬意を払い、顔を立てるべき相手と認識しています」という表明をすることです。あなたは見えない通貨で対価を支払い、相手に協力を依頼したわけです。
この「敬意」や「尊重」はかなり強力な決済手段と言えると思います。新卒の若手、平社員など組織の下っ端としてやっていく場合は、支払いに使える通貨はほとんどこれしかないと言ってもいいかもしれません。
「あなたの面子を立てます」という概念は、反社会組織から公務員まで実に幅広く流通している通貨だと思います。この決済のやり方を知らなかった僕が集団の中でボコボコにされたのは、今思うと「当然」という気しかしません。
「数字がすべて」の世界では「面子」の価値は小さい
ただし、「どのように振る舞うことが敬意や尊重を示すことになるか」は、会社や業界、つまりあなたが所属するコミュニティによってかなり違いがあります。場所により、まったく重視されない場合もあります。
逆に言うと、「数字がすべて」の世界ではこの「面子」の価値は相対的に小さいものになります。たとえば、シンプルに数字を競うような営業の世界では、面子など何の役にも立ちません。目の前の数字こそがすべてになります。この面子のゲームをやりたくないのであれば、そういった職種に飛び込むのも1つの手です。ただし、数字が上げられなければ辛いという点はありますが。
「人間の面子を尊重し損なったから怒られる」より「数字が上がらないから怒られる」ほうが納得がいくよ、という人は営業職がおすすめです。僕も、現在は割とハードな営業職をしていますが、「ここは楽園か」という気持ちがあります。なにせ、数字さえ上がっていれば人間として扱ってもらえますから。
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