「Apple 京都」が世界最強の店舗といえるワケ アップルは店舗のあり方も再発明した

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Apple 京都の外観(筆者撮影)

Apple 京都ができたのは四条高倉。1600年代より京都の目抜き通りの1つとして栄えてきた通りで、現在は百貨店の大丸京都店のお膝元となっている。景観遵守の目も厳しいこの通り。アップルはテナントとして入居した決して歴史的価値のない新築ビル「京都ゼロゲート」でどのようにしてランドマークとしての特徴をつくりあげたのか。

アップルは、この店舗のために積極的に京都らしい日本の伝統要素を店舗の外装や内装に取り入れている。

地下2階で地上7階のビルだが、アップルが入居している4階までのフロアを大きな行灯(あんどん)に見立て、夜になると内側からうっすらと白く光る、という仕掛けを用意している。

この白く光っている外装は店内から見ると、まるで和紙のようだが、触ってみると紙ではなく強度確保のために樹脂なども混ぜた独自の素材のようだ。

日本の伝統を積極的に取り入れた「Apple 京都」

Translucent Envelope(透明の包み)となっている1階部分は人通りの多い四条通側も高倉通側も全面ガラスで店舗の内部がよく見渡せるつくりだ。高倉通からのぞくと正面は商品がきれいに並ぶ「Avenue」(商品棚)が伸びている。

一方、四条通側からのぞき込むと店の奥中央に巨大なビデオウォールがそびえ立っている。

ここでは京都の地元クリエイターと組んだToday at Appleイベントや、京都の街に繰り出してiPhoneでうまく写真を撮るコツを伝授するイベントなども企画中だ。

記者向け内覧会では京都を拠点とするグラフィックデザイナー、三重野龍氏によるiPadを活用したグラフィックデザインのワークショップなどが披露された。

人造大理石の階段(筆者撮影)

店舗1階の建築上の特徴は、ビデオウォールの真上が2階部そして3階部をくり抜いた巨大な吹き抜けになっている。吹き抜けの真上の天井全体が照明となっており、そこから自然光かと思うような優しい光が降り注ぐ。天井の周囲の壁や店舗中央の4つの柱は漆喰で塗られている。京都の左官職人に仕事をお願いしたらしいが、その塗りが完璧すぎて、触ったり、よく見ないとなかなか漆喰だとはわからない。

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