「Apple 京都」が世界最強の店舗といえるワケ

アップルは店舗のあり方も再発明した

8月25日にオープンした「Apple 京都」の外観(筆者撮影)

eコマースの広がりのあおりを受け、小売業の不振がささやかれる。これは日本だけではなく、今や世界が抱える問題だ。そんな中、自らeコマースも手掛けつつ、小売りビジネスでも堅調な会社がある。最近、史上初の企業価値1兆ドルを達成したと話題になったアップルだ。

そのアップルが8月25日、創業者の故スティーブ・ジョブズが愛し、度々プライベートでも訪れた京都に大型の旗艦店「Apple 京都」をオープンした。小売りには進化が必要と語る新リーダーの下で、アップルはどのように21世紀の小売りのカタチをデザインしているのか。その秘密に迫りつつ、オープン初日には1300人が行列した京都店の魅力に迫る。

「小売り」も再発明したアップル

アップルの直営店ビジネスは、Mac専用でまだあまり有名ではなかった初代iPod誕生の半年前、2001年夏にスタートした。最初は取り扱う商品もMac関連製品しかなかった。だが、その後、iPodが劇的成功を収めると状況は一変。すぐに床面積売上高で世界一の座を獲得。以来、その地位を維持している。

アメリカのコースター社が出している最新の調査報告は昨夏時点のものだが、1スクエアフィート当たりの売り上げが5546ドル。業界平均の325ドルをはるかに上回っている。ガソリンスタンドを営むマーフィーが3721ドル、宝飾品を扱うティファニーが2951ドルで、これらと比較してもアップルの小売りがどれだけ力強いのかがよくわかる。この調査以後も、アップル直営店ビジネスの売り上げは四半期平均15%前後の成長を続けている。ちなみに世界に500店舗以上のストアには年間延べ5億人が訪れている。

訪問したことのない人は、iPhoneやMacなどアップルの製品しか扱っていないと思うかもしれない。しかし、実はケースや周辺機器、IoTなど他社製品も豊富に取り扱っている。

8月23日(アメリカ時間)に発表されたばかりで世界的に注目を集めている中国DJIの最新ドローン「Mavic 2」もDJIの直販サイト以外では、アップル直営店が先行して取り扱っている。大成功したフィリップスのスマート電球のHueなど、長期にわたってアップル直営店のみの独占販売で知名度を高めた製品も少なくない。人気のスピーカーやヘッドホンのメーカーにはアップル直営店同店だけの限定色を用意するところも多い。

世界24カ国の人口密集地ばかりに500店舗以上、そのどれもがつねに人であふれかえっているアップル直営店で取り扱ってもらうことは、新製品を世界に知らしめるのに効率のいいチャネルだ。アクセサリーメーカーや周辺機器メーカーにとっても、独占販売契約を結び、ほかのチャネルでの販売をしばらく諦めてでも、ここに製品を置いてもらう価値は大きい。

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