「Apple 京都」が世界最強の店舗といえるワケ アップルは店舗のあり方も再発明した
吹き抜けの下、ビデオウォールの後ろには、これまた特徴的な人造大理石の階段がある。実は、これ、アップル本社のSteve Jobs Theaterにあるのと同じつくりの階段だ(ただし、 Steve Jobs Theaterのものは円弧を描いている)。
天井からの柔和な光が、丸みを帯びた手すりの輪郭をうっすらと白く浮かび上がらせ古代ヨーロッパの神殿のような荘厳さを感じさせる。
京都らしい「和」を感じさせる空間
その階段を登って2階に上がると、今度は京都らしい「和」を感じさせる空間が現れる。通りに面した2面は障子風の壁、すぐ左側は商品が並ぶAvenueという構成で、間の空間にテーブルやイスが整然と並べられている。
ここはちょっとしたレッスンを受けたり、予約したジーニアスと一緒に腰掛けて相談に乗ってもらうために使われている。iPadやMacを買ってはみたが、まだうまく活用しきれていない人たちがテーブルに置かれたMacやiPadで新しい活用方法を学んで、家や職場に持ち帰る姿が目に浮かんでくる。
Apple 京都には、実はこれに加えて、エレベーターでのアクセスとなるThe Boardroomという秘密の部屋が用意されている。こちらはアップル製品の法人導入についての相談が行われる場で、内装はアップル本社、Apple Parkの応接室と同じつくりになっているという。
アップル本社が大量購入し話題となったマルニ木工のHiroshimaチェアに加え、フェラーリと同じイタリアンレザーが張られたソファ、デンマークのハンス・ウェグナーによる籐張りのラウンジチェア(CH25)など、アップルのデザインチームが厳選したファニチャーが並べられ、壁にはアップルの精神を体現した本社、Apple Parkの建築図面やコンセプト画が並べられている。
The Boardroomには一般客は入れず、アップル社と商談がある人だけが利用できる。
店内の様子を写真に撮りツイッターに投稿していたところ、2階の和風空間が響いたようで、私の写真がアメリカのデザイン媒体「Designboom」に取り上げられ、そこを経由してドイツ語、スペイン語などに翻訳されて拡散していった。日本の伝統様式の美はこのように海外の人々の情緒にも訴えかけるものが多い。
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