語彙力がない子は「全教科の成績」が伸びない 東大生が断言!「問題文が読めない子」も多い

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「Aの出来事が端緒となりBが発生し、Bの出来事はCと呼称されるようになった」

と、黒板や教科書に書いてあったとおりにノートに書けても、「端緒」「呼称」をぼんやりとしか理解できていないために、

「Aの出来事→Bの出来事=C」

とまとめられない。だから何と何がつながっていて、何と何が同じなのかがわからない。語彙力がないがゆえに、自分でかみ砕いて理解することができないのです。

「構造化」こそ最高の勉強法だ

先日、東大生6人と飲み会に行った時に、「どういう勉強がいちばん効果があるか」という話になったのですが、その結論は「知識を構造化する勉強」でした。

何と何がつながっていて、どことどこが類似で、どれとどれが反対なのか。そういった「事象を構造的に理解していく勉強」がいい、ということです。そして多分、そんな勉強をできなくするいちばんの要因が「語彙力が欠けていること」なのだと思います。どう関連しているかを言語化するだけの語彙力がないから、構造化できないのではないでしょうか。

他人にも自分にも説明できない。こんな状態で勉強しても、問題も解けませんし、理解を深めることもできません。語彙力がないがために、どんなに勉強しても意味がない状態になってしまうのです。

語彙力が欠けていることの恐ろしさ、わかっていただけたでしょうか。

誤解しないでほしいのですが、語彙力というのは鍛えようと思えば鍛えられるものです。実際、僕も必死で鍛えました。前回の「東大生が絶賛!『電子辞書』は最高の学習ツールだ」でも紹介したように、電子辞書をフル活用して語彙力を上げることもできますし、また最近では語彙力を高めるための本も多く出版されています。ぜひ、「語彙力」を鍛えてみてください!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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