男女レギュラーツアーを曜日で比較(今シーズンで8月19日終了まで)してみると、金曜日でいちばん多かったのは男子では日本プロの4371人、女子は毎年別格のワールドレディスサロンパス杯の1万2597人で、次に多かったのは中京テレビ・ブリヂストンレディスの4745人。
1試合で2万5000人超えは4日間行われる男子では9試合中2試合、主に3日間大会の女子は24試合行われていて、ワールドレディスサロンパス杯(4日間大会)の3万4104人以外は、2万人を超えた試合はない。「原1人で」というわけではないが「原のおかげ」であることには違いない。
原も単なる「客寄せ」ではない。現役時代、筆者が新聞社で巨人の担当記者をしていたころはすでにゴルフ好きで、野球を引退したらゴルフの道も一時は本気で考えていた。実力も神奈川県の名門といわれる相模原GC、戸塚CCでクラブ選手権という、そのゴルフ場の会員で争う試合でチャンピオンになっている。
ファンケルクラシックでは初日78、2日目は86をたたいて最下位に落ちたが、最終日は2バーディ2ボギーの72をマークして、プロを驚かせた。
原辰徳が来年も戻ってくる可能性も
ギャラリー動員の話をすると、原は大会の特別顧問を務めていることもあって「少しは貢献できたのかな」と笑った。大会前から「プロのツアーに出るのはこれが最後。野球に戻る」と話していたが、最終日を終えて、状況が許せば「来年も戻ってきたい」と、また挑戦する可能性もある。
高齢者や子どもを無料にしたり、招待券も多く出しているトーナメントが多いので、有料入場者はそう多くはないのが、日本のトーナメント。入場料収入は最初から期待していないので、ギャラリー数が収支にはあまり影響がないトーナメントが多いが、選手にとっては多いほうがやる気は出る。
どうやってギャラリーに足を運んでもらうか、各協会やスポンサーらの悩みでもあった。また、新しいゴルフファンを開拓するのも悩みだった。
それがアマとして異業種のスーパースターがツアーに出たら、こうなってしまう。ただ、これは今のゴルフ界にとっては「あり」だと思う。
単なる客寄せでは底が割れるが、しっかりした「選手」であれば、力を借りてもいい。今回、原を見に来た野球ファンが、ゴルフの試合を見て興味を持ってくれる人、原がいなくても「近くでやっているからちょっと見に行ってみるか」という人が1人でも出てきたら、大成功だろう。
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