激辛麺が猛暑にコンビニで売れた珍事の真相 この夏、冷し麺とアイスも予想以上に売れた
現場の話をよく聞くと、売れた理由は、2つ考えられる。ひとつは「夏のカレー論」同様、汗をかくために食べたくなるから。
もうひとつは、今年ならではの理由だ。あまりの暑さでどこへ行っても冷房が効きすぎており、むしろ「寒い」と感じる“冷房クライシス”な職場が増えたためではないかという。20代社員が暑いと言っていても、40代オーバーのミドルエイジ社員がひざ掛けを使っている光景をよく目にしたし、電車やバス内が寒すぎて、筆者もよくストールを羽織ったものだ。冷房で冷えたカラダを温めたい、そんなニーズからホットなカップ麺が売れたと見る。
その他、新ニーズで売れたのが「ワンハンドで水分や栄養補給できるパウチタイプのゼリーやボディ用制汗シート」と北澤さんはいう。
ゼリーと言っても、森永製菓の「inゼリー エネルギー」や明治の「即攻元気ゼリー」、ハウスウェルネスフーズの「1日分のビタミンゼリー」が売れ筋だというから、食が細くなった分を補う“夏バテ防止策”としてヒットしたに違いない。
制汗シートのほかには帽子やタオルが売れた
制汗シートは、ふだん「フェイス用」が売れ筋だが「ボディ用」の売れ行きが上回ったのは、汗だくビジネスマンから支持を集めたのだろう。
「制汗シートがわかりやすい事例でしたが、ほかにも帽子やタオルが売れたりと『駆け込み需要』があったように思います」(北澤さん)
確かに、直射日光を避けるようにコンビニに入り、「つい帽子を買ってしまった」という女性もいる。コンビニで帽子を買ったのは初めてらしいが、「手ごろな価格なのに意外と使えた」という。
その他、細かな“猛暑買い”の事例を探すと、「梅のおにぎりが大人気」「ビールよりもすっきりとした缶チューハイが売れた」(ファミマ)、「さっぱりしたいなり寿司が好調」(ローソン)など、コンビニ取材歴17年目の筆者も初めて聞いたケースも多く、興味深かった。
猛暑は少し収まったものの、疲れがどっとくるのはこれからだ。今後は“夏疲れ商戦”に注目したい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら