激辛麺が猛暑にコンビニで売れた珍事の真相 この夏、冷し麺とアイスも予想以上に売れた
北澤さんを通じて、商品本部に聞き取りを行ってもらうと、売り場で跳ねたのは、「鉄板商品」と「新たなニーズ商品」、2パターンあったようだ。
まず、鉄板商品と表現したのは、「毎年、夏に絶対売れる」とマーチャンダイザー(商品開発者)が1年かがりで開発する定番のことで、具体的には「冷した麺」や「アイス・氷菓」といった冷たいモノのカテゴリー。ひやっとさっぱりした味が涼を呼ぶ。
セブンでは冷し中華カテゴリーが約1割増し、冷したうどんが約3割増の好調だったという。
もちろん他社もよく売れた。梅雨明け後、ローソンは「冷し中華」「ミニ冷し中華」「盛岡風冷麺」を“30℃超え時販売急上昇商品”と指定し、冷し麺全体に対する構成比を約5割にまで引き上げる集中発注を推奨したという。
ヒットの裏には、商機を逃さないきめ細かな品ぞろえ戦略があった。消費者は「選んで買った」というより、売り場で推されて「買わされた」のかもしれない。
アイスクリームの売れ方にも、興味深い傾向がある
次に、夏の売れ筋・アイスクリームの売れ方にも、興味深い傾向があった。
「真夏はクリーム系より、すっきりとした氷菓がよく売れることは知られていますが、今年はセブンプレミアムの“冷凍果実”がいつも以上に売れました。氷菓代わりに支持されたのではと、手応えを感じています」(北澤さん)
知らない人がいるかもしれないので説明すると、セブン社員が「冷凍果実」と呼ぶのは「セブンプレミアム アップルマンゴー」や「セブンプレミアム ブルーベリー」(各200円)
といった「フレッシュな果物をそのまま冷凍した」商品。冷凍庫に並ぶ。
砂糖などが一切入ってないうえ、果物そのままの栄養が取れるとあってリピーターの多い商品だが、暑くて毎日アイスを食べるなら、確かにこっちを選んだほうがずっとヘルシー。口当たりがさわやかなので、果物も「氷菓としてアリ」と受け入れられたのかもしれない。
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