「憂鬱な気持ち」と「鬱病」の違い
枯葉が落ちる季節は、なんとなく悲しい気分に包まれると言う人がいる。夏場に青々と生い茂っていた葉が枯れ、日照時間も日に日に短くなると同時に心も沈みがち。加えて、仕事では期変わりや人事異動などで、秋になってから忙しい時期を迎えた人もいる。重責に押し潰されそうになりながら、山積みの仕事を片っ端から片付けて、「できる人」と絶賛されても、ときにはうっかりミスをしてしまうことはあるだろう。
失敗に落ち込むだけでなく、上司や同僚からイヤミの一言でもあれば、さらに奈落の底へ。「はあ~、イヤになる」とため息が出て、職場へ向かう足も重い。こんな憂鬱な状態に陥るのは、決して珍しいことではないが、一般的な憂鬱な気分と、近年、患者数が増加傾向にあるうつ病をどう見分ければよいのか。
杏林大学医学部精神神経科学教室の古賀良彦教授が説明する。
「うつ病の患者さんの症状では、睡眠障害が伴い、朝起きるのはツライというのが特徴になります。夜の11時や12時に眠っても、午前2時や3時に目が覚めてしまう。『早朝覚醒』といって、朝早く目が覚めても身体は動かないのです。イライラして、悲しみに包まれ、朝の気分の落ち込みが激しくなる。このような状態は、風邪のときの発熱やノドの痛みと同様で、病気のサインと思ったほうがいい。専門医のいる大きな医療機関へ受診することをお勧めします」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら