一瞬の夢中で予防
現状では、うつ病の治療ですべての人が完治するには至っていない。そのため、単なる気分の落ち込みから、病気への移行を防ぐことが重要になる。
「うつ病に限らず、精神障害を悪化させるのはストレスです。しかし、ストレスの原因を取り除くことは、現代社会では難しい。だからこそ、1日分のストレスをその日のうちに吹き飛ばすことを考えましょう。ポイントは、①おカネがあまりかからない、②用意が簡単、③放っておいても気にならないこと。手軽に楽しめて、一瞬、夢中になると、ストレスはスーッと逃げていきます」(古賀教授)。
ジムに通って汗を流す、あるいは、週末にゴルフやサッカーなどのスポーツを楽しむ人はいるだろう。茶道や華道などの習い事に夢中になっている人もいる。しかし、これらの趣味ではストレスを解消できないと古賀教授は指摘する。
「習い事やスポーツは、道を究めようとすると、それ自体がストレスになります。ストレス解消にならないのです。だから、その日のうちに簡単に取り組めることを探してみてください。アロマでリラックする、ひと品料理を作ってみる、家にすでにある楽器を弾いてみるなど、達成感はないけれど、一瞬、夢中になれるものがいい。スマホと言う人もいると思いますが、スマホの画面から放たれるブルーライトによって、生体リズムが乱れる可能性があり、スマホ依存にも陥りやすいので注意が必要です。身近なもので、ちょっとだけ夢中になれるものを探して、日替わりでいろいろなことを取り入れてみてください」と古賀教授はアドバイスする。
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