ガンと闘いフットサル選手を続ける男の矜持 湘南ベルマーレ・久光重貴37歳の向き合い方
「フットサル選手って、自分がいくらやりたいと思っても、やれる場所を与えてもらえなければ、ただのフットサルがうまい兄ちゃんです。
チームから“お疲れさま”と肩を叩かれる時がいつ来るのかはわかりませんが、その時に、後悔したくないし、やりきって終わりたい。頑張る権利をいただいている間は全力で頑張りたい」
また、そんな所属クラブに対して、久光は、感謝の意を語る。
「湘南ベルマーレには、スポーツで地域に根付いていこうという力強さを感じる。
もし、僕が湘南ベルマーレの選手じゃなかったら、これだけの応援をいただけなかったし、これだけ頑張ることもできなかったんじゃないかと思う」
久光が描く未来
久光の元には、毎日、多くの応援メッセージが届く。中には、久光の記事を読んで、“やっぱり仕事を続けます”というメッセージを送ってくる人も多いそうだ。
そんなメッセージをもらうと、「しんどいけど、やっててよかった」と心底思うそうだ。
今では、日本人のうち、2人に1人はガンになる時代とも言われるがこれは高齢者も含めた数字。久光のような現役世代のガン罹患率は数%にとどまるため、日本の社会では、ガン患者の就労は社会課題の一つになっている。
スポーツに関心が集まる中でガンの治療をしながら現役選手として活動することの意義は非常に大きい。
冒頭の言葉の通り、久光は現在、点滴による抗がん剤治療を行いながら、ベットの上で副作用の苦しみに耐える日々を送っている。
いま、久光は、ガンを患いながらも、トップアスリートであり続けるために、まさに自分の限界に抗い続けている。フットサル選手としてふたたびピッチに立つために。
(文中敬称略)
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