「強化と集客」フットサル界が抱える2大課題 日本にフットサル文化は根付くのか?

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1月21日、プレーオフの決勝でペスカドーラ町田を下し、2年ぶり10度目のリーグ王者に輝いた名古屋オーシャンズ。トロフィーを手渡すFリーグCOOの小倉純二会長(中央右)(筆者撮影)

「Fリーグで名古屋オーシャンズが優勝したことを、私は高く評価しています。過去にアジアの頂点に立ったことのある名古屋には、もう一度アジアのトップを奪い返しにいってほしい。

フットサル日本代表には、何としても、いま戦っているAFC(アジアサッカー連盟)フットサル選手権2018で優勝してもらいたい。クラブも強い、そして代表チームも強い、というのが日本フットサル界の理想だと思っています」

こう語ったのは、日本フットサル連盟会長であり、フットサルリーグ・FリーグCOO(最高執行責任者)の小倉純二氏だ。

小倉 純二(おぐら じゅんじ)/日本フットサル連盟会長。日本サッカー協会第12代会長も務め、2002年から2011年まで国際サッカー連盟(FIFA)理事、アジアサッカー連盟(AFC)理事を務めた。2012年6月より現職(撮影:今井康一)

2016年2月、ウズベキスタンのタシュケントで開催された「AFCフットサル選手権2016」。この大会で、フットサル日本代表は、14大会目にして初めてベスト4入りを逃した。

それどころか、5位決定プレーオフの初戦でキルギスに敗れ、ワールドカップの連続出場も「3」でストップしてしまった。さらにその年のFリーグでは、それまで過去9年間、名古屋が君臨し続けてきた国内最強の座は、はじめて他のクラブに渡った。

日本のフットサル界が大きく揺らいでいる……。そのように感じた関係者も多かったかもしれない。だが、そんな不安を吹き飛ばすかのように、2017/2018シーズンの名古屋は開幕直後から快進撃を続けた。

終わってみれば、ぶっちぎりの強さを見せつけて、わずか1年で再びFリーグ王座に返り咲いた。また、フットサル日本代表は2月11日、「AFCフットサル選手権2018」の決勝でアジア最強と目されるイランに0-4で敗れはしたものの、「イランに次ぐアジアの強豪」という“定位置”を取り戻すことには成功した。

強さを求めるだけでいいのか?

冒頭のコメントからもわかるように、小倉氏には、強い日本を取り戻すことが日本フットサル界の隆盛につながるという信念がある。フットサル日本代表がアジアのトップに返り咲くこと。

1月25日に行われたフットサル日本代表の国際親善試合アルゼンチン代表戦(筆者撮影)

そして国内唯一の完全プロクラブである名古屋が、AFCフットサルクラブ選手権に出場し、再びアジア最強クラブの座を日本に持ち帰ること。この2つにより、日本フットサル界の復権を世界に大きくアピールすることができるということなのだろう。

はたして、強くなるだけで、日本のフットサル界は盛り上がるのだろうか?

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