東大生が断言!「読書感想文」の凄すぎる効能 大人こそ!書かないのは「心底もったいない」

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さらに、読書感想文のために本を読むことで、「アウトプットが前提のインプット」をすることができます。

普通、ただ本を読んでいても「へえ、そうなんだ」くらいの感想しか持てません。しかし、「あとで感想を書かなきゃ」と考えていると、「ただ漫然と読んで何も考えない読書」から脱して、「何かを発信することを前提とした、何かを考えながらの読書」をすることができるようになります。いつもの受け身的な本の読み方から、能動的な本の読み方へと読書の質が変わるのです。

本のレビューでも読書感想文でも記事へのコメントでも、感想を言語化するのは大変です。しかし大変な分、「読書の質が上がる」という効果があるわけです。

誰でもすぐ書ける「読書感想文の3ステップ」

「でも具体的に、どうやって書けばいいの?」「なかなか感想を書くのは難しい!」という方もいらっしゃると思います。

実際、僕も昔は「よっしゃ! 書こう!」と意気込んでも1文字も書けない、ということが多かったです。でも、今から説明する読書感想文のテンプレートさえ知っておけば、誰でも簡単に本の内容をアウトプットできます。

STEP1:本の中から1カ所選ぶ

まずは、本の中で面白かったところを1カ所選びます。「このシーンは感動的だな」「この主人公の気持ちは感情移入できるな」「ここに書いてあることは面白いな」と思えるような1カ所を選ぶのです。

読書感想文が書けない最大の理由は、「全体として、漠然と」書こうとしてしまうからです。

「夏の暑さについてどう思いますか?」と漠然と聞かれても「え、えーと……」と答えに窮してしまいますよね? でも、「先週から続く、都会の酷暑についてどう思いますか?」と具体的に聞かれれば、「暑くて暑くて仕方がない」とか「外に出れなくて辛い」とか、自然と感想が出てくるはずです。

まずは、本の1カ所・一部分をフックにして書き始めれば、誰でも感想が書けるわけです。

STEP2:本の表紙・裏表紙を読む

次に、そのシーンが本全体の中でどういう役割なのかを考えます。「温厚な主人公が初めて怒ったシーン」なのかもしれませんし、「友達の意外な一面を目の当たりにしたシーン」なのかもしれません。

選んだ1カ所が、本全体の中でどのように位置づけられるかを考えてみるのです。こうすることで、「本の一部分についての読書感想文」にとどまることなく、ちゃんと「その本全体を通しての読書感想文」を作り上げることができます。

「そんなの難しいよ!」という人もいるかもしれませんが、大丈夫です。本には必ず、ヒントが与えられています。「帯やカバー」です。

物語であればあらすじがカバーの裏に書いてありますし、新書やビジネス書でも帯やカバーに「その本がどういう本なのか」が書いてあるはずです。

それを読めば、本全体のことが理解でき、選んだ箇所の役割もわかるようになるはずです。

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