JDI新社長が語る「脱スマホ依存」の行く末 経営再建のカギは中国向け車載パネルの育成
「経営再建中」という枕詞を外したい
――JDIにとって、2018年度は失敗が許されない年です。この局面で社長に就任しましたが、自身に課した使命は何でしょうか。
何が何でも今期の最終損益を黒字化する。これが最大のミッションだ。これまで4期連続で最終赤字を出してきたが、5期も続けるわけにはいかない。2017年度は、人員削減や中国子会社の整理、工場の減損などで1437億円の大きな特別損失を計上し、ウミを出した。あとは、業績改善に向けてひたすら利益を上げていくだけだ。JDIに関する記事から、「経営再建中の」という枕詞を早く外したい。
今期も4〜6月は厳しい状況が続いたが、これがボトム。今通期では売上高10~20%増を見込む。当社の4辺狭額縁液晶パネル「フルアクティブ」の技術は複数のお客様から高く評価され、今年はある意味チャンスの年。今まさに、(アップルに出荷するパネルの)下期の大増産に向けて仕込みが始まったところだ。
――社員の方々は、その危機感を共有しているのでしょうか。
もちろんそうだ。今、社長室には事あるごとに社員が駆け込んでくる。日々の小さなトラブルや売り上げの状況、今後の見通しまで、時に現場レベルの社員を含めて、逐一報告をしてくる。部屋の壁には報告事項の書かれた紙が、びっしり貼り付けられている。それに対し、私がリアルタイムで指示を出すという体制ができている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら