JDI新社長が語る「脱スマホ依存」の行く末 経営再建のカギは中国向け車載パネルの育成

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2018年のiPhone新モデルに搭載予定の狭額縁液晶パネル「フルアクティブ」。中国シャオミなども採用している(写真:ジャパンディスプレイ)

――シャープをはじめ競合メーカーも、狭額縁パネルを造っています。追随される可能性はないのでしょうか。

JDIが仕掛けたことがきっかけで、狭額縁がスマホパネルの事実上の標準になってきたことは確か。ただ、4辺すべてが狭い額縁のものを造れるのは、今のところ当社だけ。まねをしようとしても、そう簡単にできるものではない。フルアクティブは、(6月に社長を退任し、現在は技術顧問の)有賀修二氏が開発を主導してきた。彼には長年液晶業界で培ってきた勘があるのだろう。

――その一方で、2019年には最大顧客のアップルが、新モデルすべてに有機ELを採用するという観測もあります。

特定の顧客について話すことはできない。ただ、スマホ向けパネル市場において、液晶と有機ELは共存するというのがわれわれの見方だ。それぞれに強みと弱みがあり、どちらかに完全な優位性があるとは言えないからだ。

有機ELの量産時期は未定

――とはいえ、これまでもアップルからの受注状況に右往左往させられてきました。今後、同社向けの売上比率を意識的に縮小することも考えられますか?

それはない。受注をいただけるのであれば、全力でそれに対応するというのがJDIの基本だ。

――有機ELメーカー「JOLED」の子会社化を取りやめました。さらに、JDI自体も有機ELの技術を持っていますが、量産開始時期は未定です。

当社における有機ELの技術開発はほぼ完了しており、すでに茂原工場にパイロットラインを入れている。ただ、本格的に量産するための投資は、海外パートナーからの支援が前提だ。

当初は今年3月末までにパートナーとの提携を発表するというスケジュールだったが、足元の有機EL市場を見ると、特に中国市場などではまだ液晶の優位性が認められている。海外パートナーとの提携に関する交渉は今も続いているが、有機EL市場の潮目が当初の予測と異なってきた以上、急いでこちらから提携を模索する必要もないと判断している。

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