発達障害の私が会社生活で苦しんだ10のこと

新卒で入った大企業は結局4カ月で辞めた

反対に、特性を見誤って本人に合わない部署に配属すれば、社員も企業も不幸な結果に終わる。そんな今、企業側にも「大人の発達障害」に関する理解が急速に求められている。

実は、私自身が「発達障害」だと知ったのは、30代になってからだ。これを聞いたとき「私が4カ月で仕事を辞めたのは、発達障害だったからだ」とあらゆる疑問が氷解した。

私は10年前、ICU(国際基督教大学)在学中、リーマンショック直前に就職活動を行い、運良く大企業に滑り込んだ。「これで安定した人生が待っている」と思っていた。

けれども、普通の人が当たり前にできることができず(たとえば毎日、満員電車に乗る、ほか多数)、うつ病発症、4カ月で会社を休職。その後退職をして1年間ひきこもり、ベッドから起き上がれない生活が続いた。

発達障害の私が、企業生活の中で苦しんだことの例を一部挙げる。もし皆さん、または皆さんの上司や部下で下記のような特徴があったら、将来的に私と同じような苦しみを抱えてしまうかもしれない(※以下の例はあくまで私が自覚した症状です)。

1. 空気が読めない(つい上司に反発しすぎたり、部下を詰めたりしてしまう)
2. 会社の飲み会のほか、休日の社内イベントは参加しない
3. 雑談が苦痛、またはしゃべり過ぎてしまう
4. 音に過敏
5. 耳栓をしないと集中できない(新人は電話に出なければいけないのに)
6. 革靴を履くことがつらい(感覚過敏)
7. 少しずつ約束を違える(納期や締め切りも必ず少し遅れてしまう)
8. いつも待ち合わせ時間に5分ほど遅れる
9. 15分残業すれば明日の納期に間に合うのに、定時で帰る
10. やりたいことは追求するが、興味のないことになると途端にパフォーマンスが落ちる

など。発達障害の出方は人それぞれ異なるが、もし思い当たる節があり、会社になじめず深刻に悩んでいる人は一度、専門機関で診てもらう手もある。

自分の特性を把握し企業側へ伝えることで、配属先のミスマッチを予防することができるかもしれない。

これらの特徴は、一昔前なら、「甘えるな!」「働くことを舐めているのか」と言われてしまうような話である。けれども私はまじめに悩んでいた。なぜ普通に人には当たり前にできることが自分にはできないのか、よくわからなかった。発達障害と診断されるまでは……。

発達障害の私が起業家になり成功した理由

そんな私だが、会社を辞めた後の私は、1年のひきこもりの末、うつ病からはい上がって起業し、事業をなんとか軌道に乗せることができた。

私自身は発達障害の特徴である「集中すると物事がまったく聞こえなくなるほどの過集中」「白黒はっきりつけないと気が済まない」といった特徴が、起業家として活きたのだと思う。

発達障害の若者は決して「使えない」のではなく、「使い方が難しい」だけなのだと証明できた気がしている。

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