発達障害の私が会社生活で苦しんだ10のこと 新卒で入った大企業は結局4カ月で辞めた
もし、部下が発達障害にみられる特徴があり職場になじめず、辞めそうな気配を感じたとき、上司は何をしたらいいのか。
私の場合、一言追記しておきたいのは、職場になじめない、浮いた存在の私を見て、上司たちはとてもやさしく声をかけてくれた。けれども、時にそれが逆効果になることもあった。
たとえば、「飲みに行こう」という声がけ。この「飲みに行こう」が一部の発達障害の当事者にとっては、悩みを生む。発達障害傾向のある若者のうちかなりの割合の人が、雑談が苦手だからだ。
会議のように「ゴール」のある場においては積極的に発言できるが、ふわっとした飲み会では何を話していいのかわからない。
自分が空気を読めないことを自覚しているほど、何を話せば失礼ではないのか悩んで、何も発言できなくなる(だから私は非常に人見知りであり、一方、一度仲良くなった人とは飲みに行くのが好きである……)。
そもそも私の場合、発達障害のせいか聴覚での情報処理が得意ではないため、飲み会の会場がうるさいと、目の前の人の話に集中できず、ますます会話の流れが読みづらくなり、発言できなくなる。
仕事がうまくいかない若者を見ると、上の世代はつい「飲みに行こうか」と誘いがちだが、「飲みに行く」ことを喜ぶか喜ばないかも部下次第であることは留意しておきたい(仲良くなれば、話は別だが)。
最近はスタートアップなどを中心に「1 on 1」がはやってきているが、業務時間中に1対1できちんとテーマを決めて話すほうが、良いことも多い。
発達障害の私がなぜ採用面接ではうまくいったか?
ここで注意しておきたいことは、そんな私でも採用面接はどうにかなったということだ。特に新卒採用では、面接で聞かれることはパターン化されている。
「あなたが学生時代に頑張ったことは」
「弊社を志望する動機は」
「これまでの人生で壁にぶつかった時のことを話してください」
聞かれることなど、どこの企業も似通っている。
昔から空気を読んで発言することが苦手だった私は、「コミュニケーションをパターン化」して理解することに慣れていた(幼少期からいじめられないように、努力した結果だ)。
採用面接初期のころ、某外資系金融機関では、空気が読めず何を発言したらいいのかわからずさんざんな結果に終わった。
しかし、その後インターネットで「よくある質問パターン」を洗い出し、その回答を作って暗記するまで読み込んだところ、ほとんどの会社で最終面接までは到達した。実際、外資コンサル・総合商社・マスコミなどから1社ずつ内定をもらうことができた。
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