発達障害の私が会社生活で苦しんだ10のこと

新卒で入った大企業は結局4カ月で辞めた

私を含め、勉強が比較的得意だったASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群:人とのコミュニケーションやかかわりに難しさが生じる、興味や関心が狭い範囲に限られやすく、独特のこだわり、行動、振る舞いが見られることもある)は「パターン認知」の能力を後天的に身につけた者が多い。

発達障害のある人は、空気が読めずに苦労した分、コミュニケーションをパターンで覚えていることが多いから、採用面接はなんとかなってしまう人もいる。

そして近年はますます、企業側も「尖った人材」を求めるようになってきた。変わった雰囲気を持つ若者を、積極的に採用しようとする企業が増えてきている気がする。

「発達障害の傾向を持つ若者が採用されやすくなっている」と言えるかもしれない。

「尖った人材」はこうして活かす

私は起業において一定程度の成功ができたのだが、発達障害の当事者が持つ、「過集中」「こだわりの強さ」といった特徴は、仕事のさまざまな局面において意味を持ってくる。

一方で、会社がそのような人材を使いこなすことができるのかについては、「その会社による」としか言いようがない。使いこなすことができず、「お互いが不幸」にならないためにはどうしたらいいのか。

そのためには、自社に何が許容できて、何を許容できないのか、「行動規範」などを通じて、明文化しておく必要があるだろう。

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弊社の社員にも、私以外に発達障害の者がいるが、たとえばASDゆえの「白黒つくまで考え抜く」といった姿勢のおかげで非常に助かっている。私見ではあるが、優秀な人に発達障害傾向を持つ人はかなりいる。

ただそのような社員が活躍できる理由は、「その人に合ったポジションがある」からだ(そして弊社は、ポジションごとに採用を行っている)。

弊社は基本的に私服。私のように感覚過敏があっても働ける。全社的な飲み会はほとんどない。「人とのコミュニケーションに疲れるから夜はゆっくりしたい」タイプの者も働きやすい会社にしたいから。私のように発達障害傾向のある方にとっても働き心地の良い社風を創りたい、と思っている。

採用する企業は、「自社に合った人材とは何か、自社に合わない人材とは何か」。そして、学生は「自分に合うポジション、合わないポジションとは何か」を、明確に定義したうえで採用や配属、就活を行うことで、一人ひとりが生き生きと働くことができる。

それは、発達障害のあるなしにかかわらず重要なことかもしれない。

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