頭ポンポンする男はモテるという大きな誤解

「男は女におごるべき」の風潮にもモノ申す

宮崎:壁ドンとかもそうですね。あれは、イケメン高校生がやるからいいのであって、おっさんとかがやっても……。

犬山:イケメン高校生でも普通に怖いと思いますよ、あれは2次元ありきな気がします。一昔前のモテテクは、今よりも女の子の立場が弱いという前提で語られていたものです。「女性は男性にかわいがられる存在」という前提があり、女性もそれに対して「ドキッとします」と言わなければいけない時代だった。でも、今は時代が変わっているので、それをそのまま実践すると違和感だらけになる。

宮崎:やたらと女性の鞄を持とうとする男性もいます。でも、女性は鞄も含めてファッションコーディネートしているし、周囲から男に鞄を持たせている高飛車な女と見られかねません。それでも女性の鞄を持ちたいという男性は、ぜひお母さんの荷物でも持ってあげてほしい。お母さんなら、きっと喜ぶと思いますから。

女性の「笑顔」を好意と勘違いしてしまう男性

犬山:モテテクの話は象徴的で、ようは雑すぎるんですよ(笑)。「女はこう」「男はこう」みたいな雑な分けかたをしていて、「個人」に焦点が当たっていない。人を見て、「この人はどういうことに喜ぶのか」と考えなければいけません。そんな当たり前のことを、世間の人は意外とすっとばして雑なマニュアルにすがってしまう。

犬山紙子(いぬやま かみこ)/1981年生まれ。イラストエッセイスト。トホホな生態を持つ美女たちを描いた『負け美女 ルックスが仇になる』でデビュー。「日刊SPA!」や『anan』などにも連載を持ち、テレビやラジオなどにコメンテーターとしても出演中。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)など多数(撮影:菊岡 俊子)

宮崎:あと気になっているのは、僕が「無駄な当事者意識」と呼んでいる現象です。前編(ナシなのに「彼氏面する男」が跋扈する真因)で、やたらと男性のファッションに口を出してくる女性の話が出ましたけど、いったいお前はどういう立場なんだ、と(笑)。

犬山:確かに、無駄な当事者意識を持っている人っていますよね(笑)。

宮崎:おそらく「当事者意識」という言葉をネガティブな意味で使ったのは、僕が初めてなのではないか、と思っています(笑)。普通は、「もっと当事者意識を持て!」と怒られたりする。でも、彼氏面男子、もしくは彼女面女子は、無駄に当事者意識を強く持っているので、「私が言ってあげなきゃ」と使命感に燃えてクソバイスしてしまう。

犬山:宮崎さんがご著書に書いていたことで、すごく重要だと思ったのは、「女性は男性に困ったことをされると、怖くて思わず笑ってしまう」という指摘です。職場で上司からセクハラ発言されても、「も〜う。なに言っているんですか!」と笑顔で反応し、やり過ごそうとしてしまう。波風を立てないための処世術として、思わず笑顔を作ってしまう。その反応を男性側が「喜んでいる」と勘違いしてしまうという構図があるんです。この指摘を男性が書いてくれたということに、とても感謝しています。

宮崎:そう言っていただけると、うれしいです。

犬山:でも、なにもセクハラの問題は、男性だけの問題ではないと私は思っています。

『モヤモヤするあの人 常識と非常識のあいだ』(幻冬舎)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

宮崎 まさに。男もいろいろと抑圧されています。犬山さんのご著書に、「え~~、男なのに軽(自動車)~?」というクソバイスが紹介されていましたが、僕は運転免許すら持っていないんですね(笑)。生活をする中で、一度もクルマが必要だと思ったことがありませんから。でも、免許を持っていない男は役立たず扱いされる。

犬山:男性は、なにかと「クルマ出してよ」って言われがちですからね。

宮崎:あと、男は誰もが電化製品に強いと思われるのも納得がいかない。会社員だった頃、社内研修用にプロジェクターの設置を頼まれたんですね。若いし男だから得意だろう、と。でも、2時間経ってもスクリーンに映像が映らない。結局、女性の上司が助けてくれて、わずか15分足らずで設置が完了したという(笑)。

犬山:うわ〜、私もそういうこと男性に押し付けちゃいそう。まだ偏見あったわ。気をつけよ……。

次ページおごってくれない人とは付き合えない女性は切っていい
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ブックス・レビュー
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
  • 地方創生のリアル
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
頂上決戦!ユニクロvs. ZARA<br>ファストファッション新時代

「フォーエバー21」が経営破綻し「H&M」も販売不振。世界のアパレル市場をリードするのは、首位を独走する「ZARA」と、猛追する「ユニクロ」となった。両社に加え、新興勢力の「ワークマン」「デカトロン」も含めた勝ち残り合戦を追う。