頭ポンポンする男はモテるという大きな誤解 「男は女におごるべき」の風潮にもモノ申す
時代遅れの「モテテク」を実践する男たち
宮崎 智之(以下、宮崎):上から目線が特徴の彼氏面男子やクソバイスという現象は、ある意味、現代社会のモヤモヤや軋轢を象徴していると思います。犬山さんのご著書を読んで印象に残ったのは、女性に対して男友達が言い放った「男は勘違いするから、博多弁でしゃべるな」というクソバイスです。それってただの告白じゃん。博多弁でしゃべるその子のことを、明らかにかわいいと思っているじゃん、って(笑)。
犬山 紙子(以下、犬山):「男のために話しているわけでもないし、なんでお前のために方言をやめなきゃいけんのだ」とも思いますが、この投稿の内容に限って言えばクソバイスというより、ラブバイスでした(笑)。
宮崎:営業用語に、「テストクロージング」というものがあります。「仮に、弊社と契約したら……」などと、契約した後のことを想像させ、相手の感触を確認するというものです。ラブバイスは、これに似ています。ようは、自信がないんですよ。そこらへんは僕も少しは理解できて。なんというか、男の弱さというか。
犬山:それにしても、言い方が上からなんですよ。本当に相手の女性を彼女にしたいならば、上から目線のラブバイスより普通に話せばいいわけで、どこかで女性を下に見ている。「男の弱さ」って言葉はあんまり同意できないです。相手の気持ちよりも、自分が傷つきたくないってことですよね。
宮崎:「男の弱さ」って安易に言ってしまうのは、確かにまずいのかも。
犬山:人間ですから、間違うことは悪いことではないと思うんです。誰だって間違った恋愛のアプローチをしてしまうことくらいあります。ただ、それを変に理論武装して正当化したり、それによって人を傷つけたりするのは違うと思う。「もう大人なんだから、もっと自分の頭で考えろよ!」と言いたいです。
誰しもはじめは恋愛初心者ですし、私も過去に相当間違ったことをやっています。宮崎さんの本には、付き合ってもいない女性とご飯を食べに行って、「どんだけ俺のことが好きなんだよ」と頭ポンポンした男性のエピソードが紹介されていますよね。ああいうモテテクを鵜呑みにしちゃあいけない。