突然子どもに会えなくなる「虚偽DV」の悲劇

これまでは制度欠陥が「悪用」されてきた

2006年、利幸さんは広子さん(40代、仮名)と結婚。翌2007年9月には長女の静香ちゃん(10歳、仮名)が誕生する。2012年の年末、3人での共同生活に終止符が打たれる。それは利幸さんが留守をしている間に、広子さんが当時まだ5歳の静香ちゃんを連れて、別の町にある実家に身を寄せたからだ(2013年3月、母子はアパートに移転)。

「娘の写真を見るのがつらいです。元気ではつらつとした子どもだったのに、広子の弁護士から送られてくる今の娘の表情は虚ろなんです」

アンパンマンのようにふっくらとして、いかにも優しそうな利幸さんは、そう言って肩を落とした。

利幸さんの代理人、梅村真紀弁護士に別居後の経緯を聞いた。

「2013年3月に離婚と面会交流という2つの調停が始まり、同年5月に裁判所で試行面会が実施されました。これは面会室で30分だけ会わせ、その後の面会交流の方針を決めていくというもの。静香ちゃんはすごくお父さん子でしたから再会できてとても喜んでいました」

裁判所にも関係良好と認められる。7月には「審判で面会が決まる前の段階であっても月に1回は会わせるように」と裁判官は広子さんに約束させた。

面会の様子について利幸さんは語る。

「2013年8月からは月1回、娘と会いました。別居する前と同様に祖父母やいとこといった親戚と過ごしたり、プールに行ったり。家に戻ってきたときは、自分の部屋のいすに座ってぐるぐる回ったり、自分のおもちゃで遊んだり、毎回楽しく過ごしました」

面会交流の実績が評価されたのか、2014年5月末の審判は利幸さんにとってかなり好条件な取り決めとなった。第1週末は宿泊、第3週は日帰りという月2回の面会交流のほか、春夏冬休み期間中の長期宿泊面会、学校行事への参加や手紙や贈り物を送ったりする権利が認められた。

その後はどうなったのか。梅村弁護士は続ける。

娘を「精神的に不安定」として通院させ始めた

「審判確定の3日後、広子さんは『娘は精神的に不安定』として静香ちゃんを通院させ始めました。主治医に面会交流に関する意見を書いてもらおうとしたんです。それから1週間後の6月第1週、宿泊面会が実施されました。ところが面会はそれっきり。『子どもが精神的に不安定』『主治医の許可が下りるまで面会は不可』といった理由で拒絶されてしまったんです。

そこで翌7月、間接強制を申し立てました。これは面会交流を不履行するごとに間接強制金という“罰金”を支払うというもの。9月に申し立てが裁判所に認められ、広子さんは1回の拒絶につき1万円の“罰金”が科せられることになりました(額はその後1回につき4万円と増額)」(梅村弁護士)

10月に入ると突然、児童相談所から電話がかかってくる。利幸さんは話す。

「“夫の性的虐待の疑い”で静香を一時保護したとのこと。期間は2カ月。それまでの面会交流審判や間接強制決定の際、広子からそういった主張は一切ありませんでしたし、もちろん僕には身に覚えがありません。そもそも別れて暮らしているのにどうやって性的虐待を働くのでしょうか。まるでタヌキに化かされたような気分でした。

静香がどこに保護されているのか、児童相談所は教えてくれません。『妻が娘を通院させている病院と関係あるんですか』と聞くと、『通院させている病院は一切かかわっていません』と説明されました」(利幸さん)

次ページ虚偽の説明を行っていた児童相談所
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