突然子どもに会えなくなる「虚偽DV」の悲劇

これまでは制度欠陥が「悪用」されてきた

一時保護は2カ月超、実施された。「お父さんのところに帰りたい」と訴えた静香ちゃんの意思は尊重されず、広子さんのところへ戻された。当然ながら、利幸さんからの性的虐待は確認されなかった。

静香ちゃんの一時保護先は、広子さんが通院させていた病院であった。児童相談所は虚偽の説明を行っていたのだ。

静香ちゃんが利幸さん宛に書いた手紙(筆者撮影)

2015年1月、利幸さんは静香ちゃんの授業参観に駆けつける。

「休み時間に『今度いつパパのところにお泊まりができるの?』と娘に聞かれました。『お母さんが認めてくれたらね』と答えると、娘は、さっそく妻のところへ聞きに行きました。しばらくして泣きじゃくる娘の声が廊下から聞こえきました。『どうしたの?』と聞くと、娘は『ママが……ママがお家に泊まるの……だめって言うの……』としゃくり上げていました」(利幸さん)

静香ちゃんは荒れた。

児相に一時保護を要請し、抗精神病薬も飲ませる

手を焼いた広子さんは、反抗して暴れるようになった静香ちゃんの一時保護を児童相談所に要請したり、抗精神病薬を飲ませたりするようになった。小学校には行けたとしても遅れて登校したり、保健室にずっといたりという状態だった。

記事に記された損害賠償請求訴訟は2016年8月、名古屋地裁で始まっている。梅村弁護士は話す。

「審判で決まった面会交流や間接強制。広子さんはこれらから免れる目的で動きました。2016年3月末、広子さんはDV等支援措置の申し出を行い、静香ちゃんとともに転居してしまいます。これにより利幸さんは住民票などの閲覧をブロックされるようになりました。私たちが損害賠償請求を起こしたのは、制度を悪用して利幸さんと静香ちゃんの面会交流を妨害し、名誉を毀損した広子さんの行為に対してです」(梅村弁護士)

県も訴えている。

「広子さんが支援措置を受けるための要件を満たしていないことを認識しえたはずなのに、県警は『要件を満たす』との意見を安易に付しました。学校行事参加や手紙などの送付という、審判で確定した権利が利幸さんにあることを知ってもなお『住所秘匿』を認める支援措置の意見を撤回せず名誉を毀損し続けたんです。だからこそ県も訴えることにしたんです」(梅村弁護士)

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