「ピッチに立てない時間」が選手を強くする 読書するサッカーJ1「点取り屋」の失敗哲学

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人間関係も自分に新しいものを教えてくれますね。僕は、妻(ライフスタイルプロデューサーの村上萌氏)と出会ってかなりの衝撃を受けました。もともとは、自分の成長だけが自分の喜びという利己的なところがあったんですよ。でも、妻は、僕が大切にしている喜びを自分の幸せとして当たり前のようにとらえていて。僕の他人に対する考え方、人間としての幅が広がったのは妻のおかげかなと思っています。

都倉流・セカンドキャリアの作り方

――今後のキャリアについては、どのように考えていらっしゃるでしょうか。

今はサッカー選手としてピッチでの説得力を持つことが重要だと思っていますが、サッカー選手だからこそ出会える人脈も、今後の点と点をつなぐものになるのかなと感じています。昔はプレーをすることでしか発信できませんでしたが、今はSNSもブログもあります。

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アンドレス・イニエスタがヴィッセル神戸にやってきますよね。それで僕、ツイッターで「イニエスタにサッカーでは絶対に勝てないけど、ワイン造りではワンチャンあると信じたい」って投稿したんです。そうしたらバズって、たまたま北海道のワイナリーの方が見て、「ぜひ一緒にやりたい」と声をかけてくださって。で、来月、ブドウ畑を1ヘクタール買うことになりそうなんです(笑)。

将来どうなっているかはまだわかりませんが、人との縁やタイミングが重なっていますし、サッカー選手を辞めてからワイナリーをやりたいと言ってもなかなか協力者は得られないでしょうから、今のうちに縁を大切にして、点と点をつなげていって……これは、僕が初めてサッカー以外のことでワクワクできることでもあるんですよ。

まだ、ビジネスにしてやろうとか、野望を燃やしているわけではないんです。ただ、休日にワイナリーでお酒を飲んでいたらカッコいいじゃないですか(笑)。それに、ワインは地域性が出るものなんですよね。ブドウの種も土も地域密着。そこがサッカーと共通しているなあとも感じています。

30年、40年かけて、長い目で自分のやれることを考えていけたらいいですね。サッカーをやっていると、どうしてもサッカーのなかでしかつながれないところがありますけれど、今後は、サッカーにこだわらない、自分なりのセカンドキャリアを考えていけたら、そのためにも、より多くの人とかかわる面積を増やしていけたらと思っています。忍耐力とフットワークは、サッカーで培ってきた僕のメリットですから。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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