「ピッチに立てない時間」が選手を強くする 読書するサッカーJ1「点取り屋」の失敗哲学
試合に出られないときの時間の使い方を知る選手は強い――。
現在、Jリーグ・北海道コンサドーレ札幌でFW(フォワード)として活躍する都倉賢選手はそう語る。
本田、長友、岡崎。日本代表で活躍するそうそうたるメンバーと同期で、サッカー選手という夢を追いかけつつも、ケガや海外トライアウトの失敗など、順風満帆なサッカー人生を送ってきたわけではない。
それでも大好きなサッカーを続け、今季は劇的なオーバーヘッドシュートを2発も決めた。Jリーグ得点王ランキングに名を連ね、W杯日本代表入りがうわさされるまでになった都倉選手の、「挑戦を続ける力」の源泉はどこにあるのか。
日本時間7月3日午前3時、W杯決勝トーナメント1回戦を迎える日本代表チームの分析とともに、「挑戦し続ける哲学」について語ってもらった。
――日本代表は2大会ぶりのW杯決勝トーナメント進出を決めました。今回の善戦について、都倉さんはどのように分析されていますか?
チームビルディングが非常にうまくいっていますね。選手一人ひとりが、「自分が活躍したい」というエゴを捨てて、日本代表として最大の力を発揮するにはチームのために何をしなければいけないか、というところに立ち返ることができる集団になっているように思います。
サッカーは、ゴール1点取ることがとても難しくて、実力の差がいちばん結果に表れにくいスポーツだと言われているんです。たとえば1試合で100点入ることもあるバスケットボールは、比較的点がとりやすく、点差が激しくなり実力の差が出やすいのですが、サッカーは違う。チームへの犠牲心と一体感といったチーム力が必要です。
ワールドカップはスター選手がたくさん登場して面白いですが、その分寄せ集めの要素もあって、プレーがバラバラになりがちなんです。その点、今回の日本代表は「おっさんジャパン」と呼ばれるほど経験値の高い選手が多い。
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