サッカーの英雄が大統領になった国の「食卓」 アフリカの小国で生きる少年の壮絶な日常

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リベリアの首都モンロビアの郊外。アフリカの小さな市場にわずかな食料が並ぶ
サッカーのワールドカップで熱戦が続く。アフリカの小国リベリアは出場経験こそないが、国を率いる大統領はプロサッカーの元国際的スター選手だ。アフリカ最古の黒人独立国家。しかし、輝かしい歴史とは裏腹に、国民の半数近くが難民となった「忘れられた内戦」、戦争が終結したものの今度は約5000人が死亡した「エボラ出血熱の大流行」。これでもかと不幸が襲いかかる国である。そんな国の「食の風景」を現地よりレポートする。

帰国して最初の食事はサツマイモの葉っぱ

コートジボアールの国境を越えたバスは、夜を徹してジャングルの一本道を走っていた。

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「もうここはニンバね」

私の隣の黒人女性に向かって、前の席のちょっと年上の黒人女性がわざわざ振り返って話した。声をかけられた女性は黙って頷いて外を見つめ、代わって反対隣の男が割り込む。

「このあたりで親戚が殺された。友達もたくさん死んだ」

堰を切ったように、まわりの座席から続々「殺戮の悲劇」が吹き出す。車窓からは闇しか見えないが、そこは長い長い内戦が始まるきっかけの場所なのだという。もう20数年前、ここからリベリア全土へと戦火は広がった。バスの乗客のほとんどは、そんな内戦から他国に逃れていた難民たちだ。戦争が終わった母国へ戻る20人ほどのリベリア人。ほかにガーナ人の学校の先生や、行商人だという謎のナイジェリア人もいた。

内戦が終わり、避難民たちが自らバスを仕立て祖国に帰ってきた

ニンバを抜けて夜が明けると、バスは「飯を食え」と言わんばかりに、3~4軒の屋台が並ぶ小さな集落に停まった。なにかを口にするのは2日ぶりだ 。店にはきっとそれしかないのだろう、「ポテトリーフ」と呼ばれるものが差し出され、運転手たちが食う。サツマイモの葉と唐辛子、スパイスをグツグツに煮込んだものが、ぱさついたコメにぶっかけてあった。手で混ぜながら皿飯を食う。川の水を汲んできて飲む。

「俺はいらん。もうここはリベリアだ。奴らは全員人殺し。毒が入ってるかもしれないから気をつけろ」

ナイジェリア人はなにかを警戒し、食べずに離れて見ている。横ではやっと祖国に帰れたリベリア人たちが、一気にポテトリーフを平らげていた。

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