グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわか らず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、一般的な家庭ながら、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた 著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。
今回の連載では、読者のみなさんから寄せられた子育ての悩みに回答します。
【ミセス・パンプキンへの子育て相談】
友達のいない私が母親になれば、子供が苦労するだろうと不安です
はじめまして。みーと申します。
結婚5年、そろそろ子供が欲しいと思っています。ただ、大きな不安があります。将来、立派な親になれるかどうか、とても心配なのです。というのも、わたしは人付き合いが苦手だからです。
友達もいないので、どうママ友と接して、お付き合いしていったらよいのかわかりません。そんな親の姿を見て、子供はどう感じ、どう育っていくのか、今から不安でならないのです。
ママはともだちいないの?とか、ママはなんでいつもひとりでいるの?とか、子供から言われるのが不安です。そう言われるくらいであれば私自身は我慢できるので、私のことはいいとしても、子供が、そういう親をみてどう思うのか。親の交流がないと、子供はどこで交流していくのでしょうか。
人見知りで暗い、友達のいない、できない子に育たないか、今から心配でなりません。また同様に、私を見て、子供が落ち込まないか、暗い気持ちにならないか、心配です。
本当は子供が欲しくてたまりませんが、わたしのような人間のところに生まれてきて、子供が苦労するのではないか、今から心配でならないのです。
どうか、こんなわたしにアドバイスをお願いいたします。
世の中、友達がいない人は案外多い
数年前に、寿美花代さんがテレビの対談番組に出ておられました。宝塚出身でテレビの長寿人気料理番組をご夫婦で担当されて全国を回られた、とても華やかな女優さんです。
インタビュアーがお友達について尋ねられたときのことです。「私、友達はひとりもおりませんのよ」。カラリとニコニコ、ごく自然に答えられたその態度に、目からウロコが出た思いでした。これも「出会い」ですから、ひとりもいなくとも、まったく当人の罪でも恥でもありません。寿美さんのさばさばした態度は、そのように語っておられるようで、なるほどと感心しました。
また私の知人に70歳を越えた大企業の重役で、ある種の国家試験の問題を作るエライさんがいます。豪快な酒で飲み仲間も多く、旅行やアルプス登山もよくする人で、「登山は信頼できる人と一緒でないと、できない」が口癖ですが、「この年になっても、本当の親友をひとり挙げろといわれたら、魂を通わすことができた親友は、ひとりもできなかったと答える」と言います。
「親友なんて、そう簡単に誰にでもできるものではない」と、人生経験豊富で人付き合い上手、読書家で、あまたの人生の機微に触れてきたこの人が、しみじみ語ってくれたときは、少し驚きました。と同時に、なぜかしら安心できたものです。もし私に将来、友と呼べる人がひとりもいなくなっても、堂々とそしてカラリと言えばいいと学びました。「私、今、友達ひとりもいないのよ」と。まさに“出会い”と“相性”の問題にすぎないのですから。
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